コンビニの「シュークリーム」「エクレア」ってどんな味? 科学的に分析した:仕事をしたら“スイーツ”の味が分かった(前編)(1/6 ページ)
「コンビニで販売されているスイーツの味はどこも同じようなもの」と思っている人も多いのでは。そこで、味を分析できる機械を使って、コンビニで販売しているシュークリームとエクレアの味を測定してもらった。
IT企業で広告関連の仕事をしている加藤潤一郎さん(仮名)は、ちょっと疲れたときにいつも決まったことをしている。それは「コンビニでスイーツを買う」こと。オフィスで仕事をしているときには、地下にあるセブン-イレブンでエクレアを買って、自分の机で食べる。取引先で商談をした帰りには、ローソンでシュークリームを買って、公園で食べる。
コンビニスイーツの“常連客”ともいえる加藤さんに、ちょっと意地悪な質問をしてみた。セブンのエクレアってどんな味? ローソンのシュークリームってどのくらい甘いの? と聞いたところ、彼は「えーと、えーと」と言葉がすぐに出てこなかった。
加藤さんが“味オンチ”……というわけではない。多くの人は味を表現するとき単純な言葉しか浮かばないのではないだろうか。「このシュークリームは甘いな」「このエクレアはチョコレートがおいしいな」といった感じで。
そこで、“味”を分析することにした。ん? どういうこと? と思われるかもしれないが、どんな食べ物・飲み物でも5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)として数値化できる機械がある。以前、この連載でも紹介したが、慶應義塾大学とAISSY株式会社が共同で「味覚センサー」を開発(関連記事)。このセンサーを使えば、私たちの舌に代わって、さまざまな味を分析することができるのだ。
今回分析してもらったのは、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートで販売しているシュークリームとエクレア※。手軽に買うことができるスイーツの味に、どのような違いがあるのだろうか。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。
鈴木隆一さんのプロフィール:
AISSY株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学共同研究員(兼務)。慶應義塾大学理工学部卒業、同大大学院理工学研究科修士課程修了。大学在学中よりシステム開発の受託などを行いながらSFC研究所研究員も兼務。大学院修了後、慶応義塾大学から出資を得てAISSY株式会社を設立。味覚や食べ合わせの研究を行い、メディアにも多数出演。通称「味博士」。
最新著書として、『日本人の味覚は世界一』(廣済堂新書)、他にも『味博士のぜったい太らない食べ方』(日本文芸社)『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』(講談社)がある。
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