ビッグデータ活用に“不安”を感じる人は約半数、対策は?:昨年よりも比率が上昇(1/2 ページ)
ビッグデータ活用にビジネスチャンスを見出す人がいる一方で、プライバシーの問題から不安に思う人もいる。そういった不安を解消するには、どのような施策が必要なのだろうか。日立製作所と博報堂調べ。
ビッグデータ処理技術の発展によって、さまざまな情報が各分野で活用されるようになる一方で、自らの情報が利用されていることに対して“怖い”“気持ち悪い”に思う人も多い。これは、企業がビッグデータ活用に踏み出せない一因でもある。
日立製作所と博報堂が調査したところ、ビッグデータの活用については「期待」(21.7%)よりも「不安」(48.8%)を感じている人が多い事が分かった。両社は同様の調査を2013年にも行っているが、その調査よりも、不安を感じる人の割合が約10ポイント増えている。
これについて両社は「メディアの報道などによってビッグデータに関する情報への接触機会が増え、期待と不安の両面で関心が高まった可能性が考えられる」としている。年代別では、20代が最も期待する割合が多く(31.6%)、40代が最も期待する割合が少なかった(16%)。
ビッグデータの活用に不安、その理由は?
ビッグデータ活用について「不安」に思う人が多いのはなぜなのか。自分のプライバシーが侵害されるかもしれない、と思う理由を聞いたところ「規約に書かれているものと異なる目的で利用される恐れがある」「利用されたくない場合に、拒否権がない」「目的や内容の説明が十分でない」という3項目に回答が集中した。
こうした調査結果からも、消費者は自分自身のデータが知らないところで活用されていることや、データの提供を管理できないことについて、不安に思っていることがうかがえる。データ提供のリスクについては、「過剰な営業行為」や「人物像が他人に把握されること」を不安視する声が多く挙がった。
データを取得時と異なる目的で利用する“二次利用”について、どのような対策が講じられると抵抗感は減りますか? この質問に対し、8割以上の人が「匿名化」で本人を特定できないすることを義務づければ、抵抗感が軽減すると回答。このほか、罰則の規定や情報の利用停止や削除を請求できる仕組みが整えば、抵抗感が軽減すると答えた人も、全体の8割程度を占めた。
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