「カメムシ食え」高校球児のイジメ問題、高野連の闇:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/4 ページ)
カメムシを食え、灯油飲め、そこで自慰しろ──「強豪」と呼ばれる名門高校野球部内で、悪質かつ陰湿化した暴力やイジメ行為が問題になっている。なぜ発生するのか、そしてその闇は……
著者プロフィール:臼北信行
日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
真夏の日差しが照りつける中、高校球児たちが熱い戦いを繰り広げている。甲子園で開催中の全国高校野球選手権大会に釘付けとなっている人は多いだろう。
しかしその一方で、今大会の開催直前にショッキングな事件を引き起こしてしまった高校球児たちがいた。愛媛の強豪、済美高校で、2年生の野球部員が1年生部員の複数名にカメムシを食べさせたり、灯油を飲ませようとしたりするイジメをしていたことが同校の聞き取り調査によって発覚。問題視した同校は愛媛県高校野球連盟に報告し、上部組織である日本高等学校野球連盟(以下、高野連)の審議結果が出るまで部活動を自粛する方針を固めた。済美高校は春夏の甲子園大会に4度出場し、2004年春は優勝、2004年夏と2013年春に準優勝している高校野球の名門校だ。それだけに球界関係者の間では大きな衝撃が広まった。
とはいえ、これは氷山の一角である。実を言えば、「強豪」「古豪」などと呼ばれる全国の名門高校野球部内における暴力やイジメ行為は、表沙汰になっていないものも含めれば毎年のように数え切れないほど発生しているのが現状だ。高校野球に携わる関係者に取材を進めてみると、ここ最近発生している暴力やイジメ行為の大半が前出の済美野球部のように悪質かつ陰湿化しており、「理不尽な罰金制度を課して先輩部員が後輩部員から多額のカネを巻き上げる」「1年生部員に先輩部員が『俺たちの見ている前で自慰行為をしろ』と強要する」「態度が悪いと呼び出された1年生が正座させられて両手をバットで固定されたあげく、腹を何度もけられる」などといった、耳を疑う具体的な話まで聞こえてくる。
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