連載
「カメムシ食え」高校球児のイジメ問題、高野連の闇:臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(4/4 ページ)
カメムシを食え、灯油飲め、そこで自慰しろ──「強豪」と呼ばれる名門高校野球部内で、悪質かつ陰湿化した暴力やイジメ行為が問題になっている。なぜ発生するのか、そしてその闇は……
高野連の「大甘体質と変なプライド」をどうにかせよ
なるほど、確かにこの高野連には「大甘体質」がはびこっている。高校球界では、部員同士だけでなく、監督やコーチが「かわいがり」と称して部員に鉄拳制裁を加えるなんていうのも昔から日常茶飯事。パワハラや暴力指導が問題視されるようになった最近も、指導者が球児を鼻血が出るほどにぶん殴る、バットで尻をフルスイングで叩く(「“超”ケツバット」などと言われている)など、常軌を逸した指導法は高校球界から淘汰されていない。にも関わらず、こうした指導者の管轄組織である高野連は、問題の根幹部分にメスを入れようとしない。
「高野連は高校体育連盟に所属していない独立組織。甲子園人気にあぐらをかいているばかりで、他のスポーツと手を取り合おうとせず“自分たちが日本の高校スポーツを支えている”というヘンなプライドを守るため躍起(やっき)になっている。これでは今の日本の高校スポーツ界で『何がよくて、何が悪いのか』を高野連が理解できるわけがない。これこそが大問題だ。そういう姿勢を高野連幹部が悔い改めない限り、高校球界から悪しき伝統はなくなることはない」とアマチュア野球関係者は警鐘を鳴らしている。
高校野球の聖地 甲子園という華々しき舞台の裏側で、高校球児たちが目を覆いたくなるような暴力・イジメ行為にあっていることを決して見過ごしてはいけない。
関連記事
- 灼熱の甲子園に似合うのは「完投の美学」? それとも「球数制限」?
必死に白球を追う高校球児の姿は素晴らしい。だが、気温35度に迫るような炎天下、1試合150球近くの「投げ込み」は野球人としてのキャリアにどう影響するのだろうか? - いじめ追放のカギは“自尊感情”の育成
社会からいじめを少なくしていくためには、ありとあらゆることをしなければいけません。その方法の1つとして“自尊感情”を育むことが挙げられます。 - 高校野球のマンガと聞いて、思い浮かべる作品は?
夏の甲子園で優勝する高校はどこ? 高校生に予想してもらったところ「PL学園」が最も多く、次いで「帝京」「智弁和歌山」と続いた。ネットエイジア調べ。 - 印象に残る甲子園のスターは誰ですか? 年代によって違い
8月7日から始まる第92回全国高校野球選手権大会。「甲子園のスターとして印象に残っている選手」を聞くと、20代と30代のトップは松坂大輔選手、40代のトップは清原和博選手、50代のトップは太田幸司選手だった。ORIMO調べ。 - もしドラだけじゃない! “ビジネスノベル”が増えているわけ
最近、書店のビジネス書コーナーでは、若い女の子が表紙になった物語形式の本が増えています。その背景には、ビジネス書側、小説側、それぞれの事情が関係しているようです。 - プロ野球のオールスター戦が、つまらなくなった理由
「昔のオールスター戦は面白かったのに、最近はつまらなくなった」――。そう感じている人も多いのでは。セ・パの一流選手が集まって対戦する貴重な試合のはずなのに、なぜつまらなく感じてしまうのか。その理由は……。 - 「臼北信行のスポーツ裏ネタ通信」バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.