日本企業の弱点は何だ? 生き残るには「デジタルマーケティング」を知り、生かすべし:松岡功の時事日想(2/3 ページ)
日本の製造業は長らく「いいモノはつくるが、マーケティングが弱い」と言われ続けてきた。それを打開する絶好のチャンスが訪れている。デジタルマーケティングとは何か。それをどう考えるべきか。これからビジネスパーソンが考えるべきヒントを与えよう。
「デジタルマーケティング」とは何か、これからのマーケティング戦略を練る重要なキーワード
Oracle Marketing Cloudの発表内容より、改めてデジタルマーケティングの進化を振り返って見てみよう。同プラットフォームは、マーケティングの自動化を図る「Oracle Eloqua」、クロスチャネルマーケティングを行う「Oracle Responsys」、ソーシャルメディア管理を行う「Oracle Social Cloud」、顧客に最適化された広告キャンペーンを実施するためのデータ管理を行う「Oracle BlueKai」で構成される。
杉原社長とともに会見に臨んだ米Oracle マーケティングクラウド ゼネラルマネジャー&シニアバイスプレジデントのケビン・エイクロイド氏によると、Oracle EloquaとOracle Responsysによって、マーケティング担当者はWebやソーシャル、モバイル、電子メールなどを含むさまざまなデジタルマーケティングチャネルを隔てなく、個々にカスタマイズされた顧客へのメリットを提供しながら、メッセージやキャンペーンなども含め「一貫性のあるマーケティング活動を行う」ことができるようになる。
また、Oracle Social Cloudによって、ソーシャルネットワーク上で行われる無数の議論や会話を聞いて分析し、顧客ごとに対話する関係も構築する。その中で、ブランドのファンや、商品やサービスへの思い入れ度合いが高い顧客も把握し、より効果的に企業が伝えたいメッセージや販売を促進すべき商品やサービスを伝える。さらにOracle BlueKaiによって、“最適な見込み客”も把握するためのマーケティングデータを統合し、ディスプレイ広告や検索、あるいはソーシャルメディアといったデジタルチャネルを通じて、対象顧客ごとに事前定義されたデータ配信、PR活動の仕組みを活用できるとしている。
エイクロイド氏はこうした機能を統合したOracle Marketing Cloudについて、「顧客データを迅速かつ容易に一元管理し、ファン顧客、見込み顧客ごとに最適なメッセージを、最適なタイミングで発信して投資効果を最大化することで、マーケティング担当者を強力に支援できる。こうしたデジタルマーケティングにおける先進の機能は、競合他社を大きくリードしていると確信している」と自信のほどを示した。
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