自分の過去記事を検証――牛丼価格戦争の予想は“的中”していた?:数字のオモテとウラを学ぶコラム(3/4 ページ)
消費増税を機に、筆者の眞山さんは「増税後の牛丼バトル――値上げ、値下げ、どちらが支持される?」という記事を書き、Business Media 誠で掲載しました。大手3社の価格戦略は吉と出るのか、凶と出るのかを予想。今回は、その予想が当たっていたのかどうか、検証してみました。
松屋の動きは完全な「読み違え」
その答あわせをする前に、もうひとつ、4月の記事で私が書いた一文を抜粋します。
特に松屋はすぐに価格面で追随するように動いています。今回の価格差を埋めるべく、松屋はおそらく値下げのための工夫を今ごろ考えているのではないかと想像されます。
ここも、実は大きく読み違えた部分です。今までの傾向を見ると、牛丼の価格と言うのは「すき家が下げて、松屋が追いつく」という法則性で動いていましたが、今回、松屋はついに異なる作戦をとりました。それは380円の「プレミアム牛めし」です。
チルド牛肉を使った「ワンランク上の牛丼」を提供することで、松屋は熾烈(しれつ)な価格競争を回避しようとしました。この動きは、価格競争の終焉(しゅうえん)を示す象徴的なものでした。そして、この新しい動きを読みきれなかったことは、個人的に非常に悔しく感じています。
今思えば、松屋がこのような動きに出ることを予測することは、不可能ではありませんでした。松屋をチェーン展開している松屋フーズのWebサイトに公表されている利益率を見ると、2013年から急落していることが分かります。
この状態に消費増税が加わったところで、価格をこれ以上に下げることができたかというと……やっぱり難しかったのかなあ、と思います。
価格を落とすことが難しいなら、何らかの新商品を出すしかない。それが、「プレミアム牛めし」だったのです。
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