万引きだけではない! 今、コンビニで起きている“問題”:ご一緒に“おでん”いかがですか(2/5 ページ)
防犯ビデオに映った万引き犯の画像を公開するぞ――というショッキングがニュースがあったが、コンビニでも万引きの被害に悩まされている。最近は万引き以外にも、ある“問題”が増えているという。それは……。
店内で万引き犯を見つけた
なぜ万引き犯はこれほど多いのだろうか。その理由のひとつに、店内での逮捕が事実上不可能だからではないだろうか。商品をポケットに入れた瞬間に取り押さえることができればいいのだが、店舗敷地の外にでなければ確保することができない。
コンビニの場合、ほとんどの時間を2人体制で運営している。客が商品をポケットに入れた瞬間、もしくは店内にいる間に抑えられればいいのだが、外に出るまで待たなくてはいけない。そうすると、お客さんの対応に追われた場合、犯人を逃すこともあるのだ。
以前こんなケースがあった。
店内で万引き犯を見つけたが、その日は人手不足で逃してしまった。先ほど紹介したように、他のお客さんの対応に追われている間に、犯人は逃げてしまったのだ。
「チキショー」と思っていたら、なんとその犯人、翌日も店にやって来たのだ。「もー我慢ならねえ」と心を抑えることができず、犯人に近寄って「あなた、昨日万引きをしまたよね?」と問い詰めた。すると、犯人はその日も万引きをしようと思ったらしく「スイマセン」と“完落ち”して、ポケットから商品を出してきたのだ。
筆者は警察を呼んで、犯人を突き出した。しかし、警察からは「店の外に出てないの? じゃあ犯罪は成立しないねえ」と言われたのだ。
あなりにも理不尽なことを言われたので、「じゃあ、昨日の万引きはどうですか? 店の外に出てますよ」と反論。昨日の万引きを行っているシーンが映っている映像を見てもらって、警察に被害届を出すことにした。
防犯カメラには、犯人が商品をポケットに入れて、会計をせずに店外に出るシーンがバッチリ映っていたので、被害届が正式に受理された。コンビニオーナーとしてはひとまず溜飲を下げることができたが、店内で万引きをしているところを取り押さえても犯罪が成立しないことを肌で実感した。
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