インタビュー
“納豆不毛地帯”の大阪で、なぜ小さな店の納豆がヒットしたのか:仕事をしたら“ストーリー”ができた(5/6 ページ)
「関西人は納豆が嫌い」と言われている中で、大阪の東部にある大東市で注目されている納豆メーカーがある。その名は「小金屋食品」。従業員数が10人も満たない小さな会社が、なぜウケているのだろうか。
スター企業を誕生させよう
川上: 現在、福島県商工会連合会と一緒になって、加盟している会社の中から「スター企業を誕生させよう」といったプロジェクトに参加しています。地元の人には知られていて、ポテンシャルが高いのにもったいない会社が実に多いんですよ。ある老舗のお菓子屋さんは、お母さんと娘さん、2人で経営されています。創業はなんと天保年間なんですよ。
土肥: ん? それって江戸時代ですか? すごい歴史ですね。
川上: そうなんです。歴史もあり作っている商品はどれも大変おいしいんですが、ブランド名やロゴなどはバラバラになっていて、ちょっと残念な状態になってしまっています。
店でもお菓子以外の食品を売っていたり。デザインを統一して、商品が本来持っている価値をストーリーにして発信すれば、「スター企業」に化ける可能性があると思うんですよ。時間はかかるかもしれませんが、商品力はありますから。現在は、和菓子の技術を生かした和テイストの洋菓子の新商品開発にチームで取り組んでいます。
土肥: 老舗なので「物語」もありそうですね。
川上: そうなんです。他にも福島県内にはスター候補の会社がたくさんあります。東北の方らしく職人かたぎで作るものは素晴らしいのですが、発信の仕方がちょっとヘタでもったいないんですよね。
土肥: そういう会社は、福島に限らず日本全国にいっぱいありそうです。
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