なぜ海外でウケたのか? ユニ・チャームの紙オムツとコミーの業務用ミラー:世界で売れてる、日本発のヒット商品(2/7 ページ)
ユニ・チャームの紙オムツがインドネシア市場で伸びている。業務用ミラーを扱うコミーの鏡が世界中で支持されている。なぜ両社の商品は、海外でウケているのか。その理由について、マーケティングに詳しい永井孝尚さんに話を聞いた。
お客さんが買う理由を考えるためのフレームワーク
土肥: 永井さんは数多くの企業を分析されてきて、グローバルで活躍する企業にはある共通点があることを見つけられたとか。それは「お客さんが買う理由を考えるためのフレームワーク」 (以下、フレームワーク)。具体的にどういったことか教えていただけますか?
永井: これは、最近出版した『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ』でご紹介した考え方です。(1)自社ならではの強みは何か? (2)その強みを必要とするお客さんは誰か? (3)そのお客さんは何を必要としているのか? (4)お客さんが自社を選ぶためには、どうすればいいのか?――。グローバルか国内かという枠を越えて、好調な企業はこの4つをキチンと整理してビジネスに取り組んでいるところが多いんですよ。
事例として、2つの会社を紹介しますね。1つめは、衛生用品大手の「ユニ・チャーム」。同社の売上高をみると、2002年3月末は2067億円でしたが、2014年3月末は5994億円。12期連続で過去最高の売上高を更新しているんですよ。
ユニ・チャームは2002年に社長が交代しました。それまで創業者の高原慶一朗さんが社長を務めていましたが、息子の高原豪久さんが社長に就任されました。当時、アジア市場で同社のシェアは3位でしたが、アジア1位を目指すと宣言しました。そしてアジア各国に赴いてお客さんと向き合いました。同社がインドネシアの紙オムツ市場で「フレームワーク」をどのように実践したのか。その話を紹介させてください。
土肥: 分かりました。では、(1)自社ならではの強みは何でしょうか?
永井: 不織布吸収体の加工成形技術によって、清潔・衛生・新鮮な快適技術を提供できることですね。
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