在特会にネオナチ、閣僚スキャンダル――日本の「ヘイトスピーチ」に手厳しい海外メディア:伊吹太歩の時事日想(3/3 ページ)
日本人の多くは、英語記事でどう日本が報じられ、評価されているのか知らないのでは。先週安倍首相が国連総会で演説を行ったが、それに合わせて、海外メディアが日本の「ヘイトスピーチ」に関する記事を公開した。その内容はどういうものなのだろうか。
日本の政治家は写真撮影に寛容だが……
以前、ある欧米諸国の大使と食事会で同席したことがある。大使とフレンドリーな雰囲気でプライベートな話などをしていたところに、別の参加者が「写真一緒にいいですか?」と大使に聞いた。
すると大使は「写真は基本的に誰とでもダメという規則になっている」と言い、秘書らしき人物がニコッとしながら「ダメです」と告げた。不特定多数の人たちと出会う大使などになれば、どんな怪しい人と写真を撮るか分からないため――ということらしい。
今更言うまでもないが、日本の政治家にもそういう認識が必要なのではないか。確かに、海外の政治家が政治活動上で問題になりそうな人と写真に収まっていて、スキャンダルになったという海外の報道は記憶にない。
ただその一方で、写真が出てきたからといって、鬼の首を取ったかのような騒ぎはいかがなものかとも感じることもある。ネオナチ関係者のために推薦文を書いていた高市総務相は論外としても、ネオナチ関係者や在特会の関係者と写真を撮ったことは、軽率ではあるものの、冷静に考えたら本当に「知らなかった」のだろうと思える(山谷国家公安委員長の場合は、釈明会見で自滅した感があるが)。
先ほど挙げたデイリー・ビーストの記事には、違和感を感じる記述もあった。記事では、「日本の安倍首相すら在特会のメンバーと写真に収まっている」として、その写真のリンク先を示している(参照リンク)。しかし、この写真は遊説中の安倍氏と観衆が、場の流れで写真を撮っているだけに過ぎず、これを指摘されるのは少し同情してしまう。
いずれにせよ、日本の政治家が基本的に写真撮影に寛容なのは事実だ。票が必要な人気商売だから仕方ないにせよ、「いろいろ言われる可能性がある」と告げて写真を断っても当落を左右するほど票は動かないだろう。そろそろ、写真撮影に対する甘い認識を変えたほうがいいのではないか。
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