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成城石井を買収したローソンは、“3つのノウハウ”を提供するという:ブランドを活用(2/2 ページ)
ローソンは9月30日、関東圏を中心に展開する「成城石井」を買収すると発表した。成城石井の業績は好調なのに、なぜ買収されることになったのか。
買収後のローソンと成城石井
富裕層の囲い込みに成功した成城石井を買収することで、ローソンはどのような効果を狙っているのだろうか。同社広報部に聞いたところ「現時点で、ローソンで扱っている商品を成城石井で販売することはありません。逆のパターンもありません」とのこと。
買収後も現経営体制を維持して、成城石井のブランドを活用する方針だが、ローソンは3つのノウハウを提供するという。「物流」「店舗開発」「顧客データ分析」を支援することで、成城石井の収益力をさらに高めていく構え。具体的なことはまだ決まっていないが、当面は消費者の“目には見えない部分”での支援にとどまりそうだ。
それにしても、なぜローソンは食品からエンタメ分野まで手を広げ、収益源を多様化しているのか。「社会環境が急速に変化している中で、消費者の生活基盤をサポートしていきたい」(広報部)という。もちろんそれだけではなく、「コンビニの出店数は5万店を超え、市場はますます厳しくなっている。人口減少が見込まれる中、新たな客層の拡大に力を入れていかなければいけない」(同)といった事情も。
映画、音楽、薬局、生鮮コンビニ、高級スーパーなどを手にしたローソンは、次にどこを狙っているのだろうか。目が離せない。
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