新幹線開業の日、「ひかり2号」が時速210キロを出せたワケ:杉山淳一の時事日想(1/4 ページ)
昭和39年の東海道新幹線開業日、ある秘策で“時速210キロ”を出しながら、なぜか山手線に“追い越された”。鉄道ファンには有名なエピソードについて、当時の運転士がその本当の理由を語った。新幹線愛である。
東海道新幹線が2014年10月1日に開業50周年を迎えた。これを記念した催しがいくつも開催されている。9月27日には埼玉県川口市の彩の国ビジュアルプラザにて「東海道新幹線開業50周年記念 夢の超特急 開業前夜」と題した上映会とトークショーが開催された。登壇は新幹線開業時の運転士だった大石和太郎氏と関亀夫氏、鉄道博物館館長代理の荒木文宏氏、俳優の西村和彦氏。貴重な映像と開業当時のリアルなエピソードが披露された。
彩の国ビジュアルプラザは、元NHKラジオ川口送信所の跡地を再開発した施設で、埼玉県とNHKなどが参画している。NHKが保有する映像資料を保管するNHKアーカイブスと、デジタル化された映像資料を閲覧できる公開ライブラリーがある。催しの前半はNHKの映像アーカイブから過去に放送された新幹線特集番組の序盤部分と、大石和太郎氏が制作に関わった映画が大スクリーンに映し出された。また、公開ライブラリーからは同日より、鉄道アーカイブとして動画約50本、記録写真約1000枚が公開されたと発表された。
俳優の西村和彦氏、所属事務所のプロフィールには記載されていないけれど、実は新幹線が大好きという。調べてみると、過去にテレビ番組の新幹線特集など、鉄道と旅の話題で出演した実績がいくつかある。冒頭で、司会の女性から「好きな新幹線車両は何ですか」と尋ねられると、西村氏は迷わず「Win350と300X」と応えた。どちらも新幹線の最高速度試験車両だ。普通の新幹線好きなら「N700A(東海道新幹線の最新型)」「500系(流線型で人気が高い)」「E5系・E6系・E7系(JR東日本の新型車両)」などを挙げるところ、試験車両を出してきた。渋い選択だ。彼の新幹線愛はホンモノだ。
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