連載
実はカジノができて問題になるのは「ギャンブル依存症」ではない:窪田順生の時事日想(4/4 ページ)
今国会で「カジノ法案」が通過しそうなので、反対派の熱がヒートアップしてきた。あるメディアは「ギャンブル依存症拡大」という見出しをつけてきたが、本当に依存症の人たちが増えるのか。この問題よりも、心配なのは……。
個人的にはギャンブル依存症の問題よりも実はこのような「中国依存」のほうが問題だと思っている。マカオのカジノが中国共産党幹部へワイロを渡すためのマネーロンダリングとして悪用されているというのは有名な話であるし、シンガポールでも中国人富裕層が起こすトラブルというのは度々話題にあがる。
日本にカジノを作った時、本当に問題になるのは「ギャンブル依存症」などではない。中国人富裕層が大挙として日本に押し寄せてきて、不透明なカネのやりとりがされる。その時にカジノの内外で発生するであろうさまざまな問題、つまり“チャイナリスク”のほうがよほど深刻な問題になるのではないか。
反対派のみなさん、そのあたりをついたら愛国心溢れる方たちからの支持が得られるのではないでしょうか?
関連記事
- NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。 - なぜ世の中に悪い人は少なく、いい人が多いのか
「また騙された。正直者がバカをみる世の中はおかしい」と感じたことがある人も多いのでは。トクをするのであれば悪い人が増えそうだが、この世はいい人のほうが多い。なぜか? そこで動物の行動に詳しい、竹内久美子さんに人間の生き方を聞いた。 - ブラック企業問題はなぜ「辞めればいいじゃん」で解決しないのか
従業員を劣悪な環境で働かせ、使い捨てにする――。いわゆるブラック企業が社会問題になっているが、なぜそこで働く人は会社を辞めようとしないのか。その背景にあるのは……。 - 京急電鉄のカジノ構想で注目、「統合型リゾート(IR)」が“うさんくさい”ワケ
京急が統合型リゾート(IR)を運営する「カジノ構想」を発表した。リゾートというと聞こえはいいけれど、その裏が分かるといきなりうさんくさい言葉になる。27年前の「リゾート法」の悪夢を忘れちゃいけない。なぜわざわざ「IR」と略すのか、なぜ「カジノ」とはっきり言わないのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.