「オリンピックとIRで日韓共同観光マーケティング」という人が出てくるワケ:窪田順生の時事日想(2/3 ページ)
韓国の仁川で行われたアジア大会が閉幕したが、不正疑惑などが相次ぎ後味の悪い大会だった。2018年には、仁川にほど近い平昌で冬季オリンピックが開催されるが、本当に大丈夫なのか。韓国側は「日本を利用して……」と考えているかもしれない。
捏造
納得のいかない判定で悔しいからといってもちょっと誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が過ぎると思うかもしれないが、仁川アジア大会はそもそもの始まりが「詐欺」のようなものなのだ。
元仁川市長であるアン・サンス氏の自伝によると、市長はアジア大会を誘致するために、韓国大統領が「平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック」のために発したコメントの映像を勝手に編集して、いかにも韓国大統領が推薦していますというような招致プレゼン動画をつくったという。
要するに、「捏造(ねつぞう)」したのだ。
ちなみにこの市長、虚言が常習になっているようで、2010年に北朝鮮が仁川管轄の島を砲撃した際には、魔法瓶をマスコミの前に高々と掲げて「これが砲弾です」なんてデマカセを触れ回ったことでも知られている。
人々を騙(だま)して強引に開催にこぎつけたイベントがうまくいくわけがない。低予算での運営を行うという大風呂敷を広げたことも加わって、各国メディアからは施設や運営の酷(ひど)い惨状が漏れ伝わってくる。
簡易トイレは詰まりっぱなしで、施設もボロボロ、しかも選手団向けのお弁当からサルモネラ菌が検出されるなど、もはや「やらないほうがよかったんじゃないの」と思ってしまうほどだ。
そんな悲劇の地・仁川にほど近い平昌で2018年に冬季オリンピックが開かれる。「仁川大会は成功」なんて感じで反省ゼロの様子を見る限り、平昌も今回と似たような問題が続発し、全世界から「韓国するな」の大合唱となる可能性は高い。
世界の嫌われ者として孤立しないためには“仲間”をつくるしかない。あたりを見回したら、お人好しの日本もオリンピックがとれたとうかれている。これを利用しない手はない。
ちょっと前、太田昭宏国交相が韓国へ行った時、文化体育観光部長官、国土交通部長官らと会談を行って、平昌冬季及び東京オリンピック・パラリンピックに向けた日韓共同観光マーケティングをするなんて話を頼んでもいないのにまとめてきた。
関連記事
- NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。 - なぜ世の中に悪い人は少なく、いい人が多いのか
「また騙された。正直者がバカをみる世の中はおかしい」と感じたことがある人も多いのでは。トクをするのであれば悪い人が増えそうだが、この世はいい人のほうが多い。なぜか? そこで動物の行動に詳しい、竹内久美子さんに人間の生き方を聞いた。 - 『朝日新聞』をダマした吉田清治とは何者なのか 慰安婦強制連行を「偽証」
朝日新聞が「慰安婦」報道をめぐって揺れている。吉田清治の「慰安婦狩りをした」という証言について、朝日は誤りを認めたが、他は一歩も引かない構え。それにしても、この吉田という人物は何者なのか。調べてみると、興味深いことが……。 - なぜ『朝日新聞』は池上彰さんの連載原稿を掲載しないと言ったのか
『朝日新聞』が大変なことになっている。ジャーナリスト・池上彰さんの原稿を、『朝日』の報道局が掲載できないと突っぱねたことが明るみになったからだ。こうした不可解な言動が続く背景には、何があるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.