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「オリンピックとIRで日韓共同観光マーケティング」という人が出てくるワケ窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

韓国の仁川で行われたアジア大会が閉幕したが、不正疑惑などが相次ぎ後味の悪い大会だった。2018年には、仁川にほど近い平昌で冬季オリンピックが開催されるが、本当に大丈夫なのか。韓国側は「日本を利用して……」と考えているかもしれない。

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建前

 日本で開設が検討されているIR(カジノを含む統合リゾート)は韓国でも広がりつつあるようで、2018年に向けて大規模なIRの建設が仁川で進んでいる。だから、あれほど日本でカジノをつくらせてくれとアピールをしてきたラスベガスサンズも、韓国も重要な地域だとか言って、「日韓」をセットにカジノを売り込んでいる。

 自民党はIRをホンキでやるようだから、そろそろ、オリンピックとIRをつかって、2020年にむけて日韓両国の観光客を倍増しようとかなんとか言い出す人が出てくるはずだ。

 「日韓」という近い地域で2年連続でオリンピックが開催されるわけだから、一緒に手をとり合ってアピールしたほうがよいというのはよく分かる。また、日韓国交正常化50周年を契機に、オリンピックを協力することで冷え込んだ両国の関係を改善しようという政治的なものもまあ分からんでもないのだが、こういう話がわいて出てくる背景には、もっと生々しい「カネ」の問題がある。

 実は、平昌オリンピックはすでに施設や交通インフラが不十分などと指摘されており、このまま運営をしたらかなり国家財政にダメージがあるなんて言われている。つまり、韓国側からすれば、オリンピックへ向けた「日韓共同マーケティング」というのは、日本からの資金提供を期待している部分も大きいのだ。

 隣国と友好関係を築くのは当然だが、リスキーな相手とは一線をひくことも必要だ。2020年へ向けて怪しげな話がわんさかと出てくるなかで、「手を組むリスク」というものもそろそろ考えなくてはいけないのではないか。

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