過去3年で42%増! 横浜DeNAベイスターズのファンが増えている理由:仕事をしたら“ファン”が増えた(3/7 ページ)
プロ野球のペナントレースが終了した。3年前に誕生した「横浜DeNAベイスターズ」の成績は6位、5位、5位と低迷しているが、観客動員数は増え続けているという。その理由について、同社の池田純社長に聞いた。
アクティブサラリーマン戦略を実行
土肥: スタジアムに足を運んでいるのは、20〜40代の男性が多いようですが、そうした層にどのようなことをされたのでしょうか?
池田: 2013年の調査分析を基に、マーケティング戦略を立てました。これは「アクティブサラリーマン戦略」と呼んでいて、20代後半〜40代前半の社交性の高い男性(アクティブサラリーマン層)をメインターゲットに据えて、新規ファンの獲得を図りました。
どんな強いチームでも3回に1回ほどは負けます。野球だけを見に来るのではなくて、スタジアムの雰囲気を好きになってもらえるように、イベントの数を増やしました。中でも「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」(8月8日、9日、10日に開催する予定だったが、天候の関係で一度しか行えなかった。10月2日の本拠地最終戦で「エレクトリカル・ファイヤーショー THE FINAL」を実施)は好評でした。試合後に花火を打ち上げるのですが、そのときに音楽も流して。セレモニーのような形ではなくて、ショーの雰囲気を打ち出したことが支持されたようで、チケットがすぐに完売しました。
なぜアクティブサラリーマン層に注目したかというと、彼らは周囲への影響力がスゴいんです。家族、同僚、女性などに「スタジアムに一緒に行かない?」と誘って連れてきてくれるので、観客動員数が増えたのではないかと分析しています。
土肥: ということは、女性の客も増えた?
池田: 増えましたね。2014年8月に行った調査によると、伸び率が最も高かったのは男性30代(3.2%増)ですが、女性30代(1.4%増)も伸びていることが分かりました。また、観戦頻度をみると、男女ともに、年1〜2回のライト層が昨年よりも増えていました。
「初めてスタジアムに来た」「野球のルールはよく分からない」「どのようにして楽しめばいいのか分からない」といった女性も多いので、そうした層を対象にしたイベントも増やしました。例えば、スタジアムの外にカフェを設けて、そこでカフェラテやスイーツなどを楽しんでもらう。「また行きたい」と感じていただいた女性が、今度は友だちの女性を連れてくる。その結果、この3年間で女性客は2割ほど増えました。
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