クラウドの決め手は「そのサービス、簡単にやめられる?」:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
写真共有サービス「Twitpic」やバックアップサービス「Bitcasa」のサービス終了を受けてユーザーに困惑が広がっています。1つのサービスに大きく依存しているのは危険かもしれません。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者が使っているMacBook Proには、購入時に奮発して512GバイトのSSD(ソリッドステートドライブ)を組み込みました。同じ容量のHDDと比べて価格は約10倍となりましたが、「これなら自分の音楽/映画ライブラリまで持ち運べる」と喜んだものです。
しかし今日、SSDにあるのは、そのほとんどがOS領域のみ。せっかく購入した大容量SSDも半分以上が空いたままになっています。なぜなら、音楽や映画のライブラリはiTunes Matchでクラウドの向こうにあるからです。各種ファイルもOneDirveに保存していて、メモもクラウドサービスで管理しています。
クラウド依存で考えなくてはならない「ロックインの恐怖」
とはいえ、クラウドサービスで気になるのは「ロックイン」です。ロックインは、特定サービスを一度使ってしまうと「ほかのサービスに逃げ出すことができない」という現象のこと。
利用中のクラウドサービスが終了してしまうと、その問題は顕著になります。例えば、最近だとTwitterを使った画像共有サービス「Twitpic」やクラウドバックアップサービス「Bitcasa」が終了することで、ユーザーに大きな困惑が広がりました。
Twitpicは、本家Twitterによる救済が行われ、ドメインと画像データを保全するという結末を迎えました(参考記事)が、バックアップ容量無制限プランをわずか3週間後に終了すると告知したBitcasa(参考記事)のユーザーの多くは、データのダウンロードが間に合わないと嘆いています。
実は、クラウドサービス選定のポイントで最も重要なのは、「そのサービスが便利かどうか」ということよりも、「その企業がいつまでサービスを提供してくれるのか」なのかもしれません。
関連記事
- Officeが使い放題なの!? 「サブスクリプション」って何?
数年前に購入したパッケージソフト。まだ使えるかなと思ってインストールしてみると対応OSではなかった。ハコも円盤もゴミになってしまいますよね。 - Googleは渋滞情報をどうやって調べてる?――ビッグデータ“活用”成功の秘けつはギブ&テイク
Googleマップでは道路の渋滞具合も調べられます。基になるデータはみなさんのスマホの移動履歴から。でも、Suicaの利用履歴販売と比べて嫌悪感が薄いのはなぜでしょう? - なかなか手ごわいケータイプラン「解約」の話
さまざまな「料金割引サービス」が一般的なケータイ電話。プラン内容をしっかり理解していないと、あるとき“満額”を請求されるかもしれません。 - 無料Wi-Fiサービスを安全に使う「個人用VPN」って何?
個人用VPNサービス「Hotspot Shield」を試用しています。VPNを用意している企業は多くありますが、個人でも必要なケースは何だろうかと考えてみました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.