缶コーヒー市場に“2つの潮流”――ダイドードリンコの高松社長に聞く:仕事をしたら“缶コーヒー”ができた(4/6 ページ)
コンビニのカウンターコーヒーがヒットして、缶コーヒーが苦戦している。そんな中、缶コーヒー市場にちょっとした異変が起きている。それは……。
“混合チーム”を結成
高松: 2013年10月に、弊社の商品開発、マーケティング、営業の担当者のほかに、商品開発をお手伝いいただいている協力会社、コーヒー豆を仕入れていただいている焙煎業者の担当者で“混合チーム”を結成しました。そして、コーヒーの消費量が多いフランスのパリとイタリアのミラノに視察に行きました。その視察旅行に私も参加したんですよ。
土肥: おお、社長自ら。
高松: パリにある有名なカフェに立ち寄って、コーヒーを飲む。ミラノにある有名なカフェに立ち寄って、コーヒーを飲む。1日に、10杯ほど飲みました(苦笑)。
本場のコーヒーはどのような雰囲気のところで飲まれているのか。どんな味がしているのか。さまざまなことを調査して、混合チームのメンバーはよなよな「こういった商品をつくってみてはどうだろうか?」といった感じで、アイデアを出し合いました。
土肥: どんなアイデアが出てきたのでしょうか?
高松: 商品開発担当者からこのような意見がありました。「淹れたてのエスプレッソをそのまま飲んだときと、少し砂糖を入れたときでは、味がかなり違う。そのまま飲んだときの味を、缶コーヒーで再現できないか?」と。これに対し、営業担当者からは「そういった商品は日本でウケるのか?」といった声もありました。振り返ってみると、このとき飛び交ったさまざまな意見が商品開発の“土台”になりました。
土肥: 欧州で議論しているうちに「泡立つデミタス エスプレッソ」の案が出てきたということですが、実際に商品化するにあたってどのへんが難しかったですか?
関連記事
- コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した
外出先で「ちょっとコーヒーを」と思って、カフェチェーンに立ち寄る人も多いのでは。ファストフードやコンビニでも気軽にコーヒーを飲むことができるようになったが、その味に違いはあるのか。味を分析できる機械を使って調べたところ、意外な事実が……。 - ローソンのコーヒーは誰が飲んでいる? データから見えてきたコト
「コーヒーはコンビニで買う」という人が増えてきているが、一体どんな人が購入しているのだろうか。ローソンのPontaカードを分析すれば「どういった人が何を買ったのか」が分かるので、担当者に直撃。男性20〜40代がよく飲んでいるのは……。 - 自販機の一等地は「左上」? 人の視線を追いかけたら“常識”が覆った
自販機で缶コーヒーを買う――。日常的な行動なので、意識していない人が多いと思うが、実は自販機には隠れたノウハウがある。マシンの前に立ったとき「人は『左上』に注目する」と言われてきたが、ダイドードリンコがアイトラッキングを使って分析したところ……。 - なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.