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新幹線と競え! 並行在来線にも特急列車が必要だ:杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)
来春に北陸新幹線の開業を控え、第3セクターによる並行在来線の準備も進んでいる。各社のWebサイトでは運行計画もうかがえる。この中で、あいの風とやま鉄道の快速列車増便が良策だ。新幹線に遠慮せず、高速列車を走らせよう。それが地域とともに生きる鉄道のあり方ではないか。
新幹線との健全な競争を目指せ
これらの列車は新幹線の客を奪うかもしれない。それはJRにとって快くないだろう。第3セクターもJR各社にお世話になっているから、遠慮したくなる気持ちも分かる。第3セクターは発足時に鉄道運行のノウハウを持っていないから、JRからの出向職員で運行されている。そのほかにもJRの有形無形の支援を受けている。だから「新幹線に対抗するなどとんでもない」という考え方が根付いているように思える。
けれども、第3セクターが顔色をうかがうべき相手はJRではない。地元のお客さまである。地元のお客さまが近隣都市へ速く行きたいと願っているなら「ぜひ乗ってください」と言える列車を走らせるべきだ。
第3セクターの特急列車は、実は新幹線と直接競合しないと思う。新幹線の目的はもっと広範囲で、東京・中京・近畿圏など大都市と地方都市を結ぶ役割がある。並行在来線の特急は、新幹線の客を奪うというより、並行する高速道路や国道を走るバスやマイカーの客がターゲットになる。もちろん新幹線の地元区間の客も奪うことになるとは思う。JRとしては運賃値引きなどで対抗策を出してくるだろう。それでいいのだ。別の会社が並行して鉄道路線を運行しているからには、健全な競争があってしかるべきで、その競争の結果として都市間を移動する人が増え、地域の経済が活性化されていくからだ。
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