「初代タイガーマスク」が伝授する、中間管理職のストレスを解きほぐす方法:窪田順生の時事日想(1/2 ページ)
上からは責められ、下からは突き上げられる。中間管理職は板挟みのツラ〜い仕事。そんな悩み多き中間管理職に、あの初代タイガーマスクがストレス解消法を紹介するという。40〜50代男性のヒーローが教える、その中身は……。
窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
企業のなかで最も過酷なポジションはどこかと問われたら、「中間管理職」と即答する人は多いのではないだろうか。
上からノルマや数字の厳しい締め付けがあり、下からは会社や待遇に対する不平不満があがってくる。まさしく板挟み。おまけに家庭も持っているという人の場合、ウン十年続く住宅ローンに加えて、子供の教育、老いた親の介護と次々とやっかいな難問に襲われる。まさしく命を削るようなストレスにさらされる毎日だ。
それを伺わせるような暗いデータもある。よく「日本は若者がたくさん自殺している」と言われるが、この「中間管理職世代」もなかなかのもの。厚生労働省の調査によると、40代の死因第2位は自殺、50〜54歳の死因でも3位につけている(参照リンク)。
もちろん、それは本人たちもよく分かっている。一般社団法人日本経営協会が497団体の部長、次長、課長クラスに調査した「平成25年度 日本の中間管理職意識調査」によれば、「中間管理職になって何が変わったか」と質問したところ、6割の人たちが「ストレスが増えた」(59.8%)と答えたという(参照リンク)。
今年本厄という同世代としては、この声は痛いほどよく分かる。周囲を見渡せば、仲間たちはみなクタクタに疲れている。酒を飲んでも、誰が緊急入院したとか、心がポキリと折れてしまったとかの話題ばかり。甘えてんじゃねえよ、と言う人もいるかも知れないが、せめてこの「ストレス」をどうにかする方法はないものか。
なんて思っていたところ、興味深い本がでた。昨日(12月23日)発売された、『「リアル不動心」メンタルトレーニング』(講談社+α新書)である。
実はこの本、「初代タイガーマスク」として知られるあの佐山聡氏がかつて自分のファンだった「中間管理職世代」に恩返しをしたということで、独自に編み出したストレスを和らげる方法を伝授しようという趣旨のもとで著されたものなのだ。
「あの」と言われてもねえ、という人も少なくないかもしれないが、40〜50代の男性ならば細かい説明は不要だろう。鮮やかな空中殺法。「ストロングスタイル」と呼ぶにふさわしい圧倒的な強さで、日本中の子供たちが熱狂したヒーローである。
初代タイガーの何がスゴイのかという細かい話はここでは省くが、興味のある方は周囲のプロレスファンだった男たちに聞いてみるといい。1時間は熱っぽく語ってくれるはずだ。
「そんな伝説のプロレスラーがなぜストレス解消法?」と不思議に思うかもしれないが、これもファンならば納得だろう。タイガーマスクとして人気絶頂を極めた佐山氏だが、「このままではプロレスが誤解されてしまう」と、2年4カ月の活動で引退。その後、キックボクシングをベースにした格闘技「修斗」を立ち上げたり、自身の経験を基にした新たな武道「制圏道」を提唱したりと、精神修養に重きを置いてきた。
そんな佐山氏だけに最近ではビジネスマンなどを対象に、「心」をテーマにした活動を精力的におこなっており、ビジネスマン向けのセミナーなども開催している。そこで実践されているさまざまなメソッドを紹介したのが本書なのだ。
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