「初代タイガーマスク」が伝授する、中間管理職のストレスを解きほぐす方法:窪田順生の時事日想(2/2 ページ)
上からは責められ、下からは突き上げられる。中間管理職は板挟みのツラ〜い仕事。そんな悩み多き中間管理職に、あの初代タイガーマスクがストレス解消法を紹介するという。40〜50代男性のヒーローが教える、その中身は……。
余計なストレスで力を出し切れないことを防ぐには、「額の力を抜く」
なかでも興味深いのは「額の力を抜く方法」。単に目元をゆるめるのとは違う。戦時中、米軍が射撃の精度を上げるためにどうすればいいか研究を重ねたところ、「額の力を抜く」という結論が出たこともあるそうだ。つまり、「額の力を抜く方法」というのは、ここぞという時に緊張せず、本来の実力を出すメンタルトレーニングなのだ。
まず、目を半開きの状態にして額の筋肉に注意を向けます。スーッと力を弛緩させるようなイメージで完全に抜き切ります。
次に、眉間の筋肉に注意を向けます。額の力を抜きながら、眉間の力もスーッと抜いていきます。
そうしたら、まぶたも含めた目のまわりの力も抜いていきます。ここで重要なのは、額と眉間の力も抜けていること(『「リアル不動心」メンタルトレーニング』P.127)
できていれば、顔の筋肉がくすぐったいことになるという。上司や取引先に叱責されたり、会議でテンパったりした時も、額の力を抜くことで冷静な対応ができるかもしれない。
個人的には「ストレス」なんてのはいつの時代にもあったのではないかと思っている。昔の人だって、のんびりとロハスな暮らしを営んでいたわけではなく、古代人には古代人の、中世人には中世人のストレスがあったはず。むしろ、生きるか死ぬかという緊張感にさらされて胃をキリキリさせていたに違いない。
それを己のなかでどう処理するのかということで生まれたのが、宗教であり哲学であり、日本の場合は「武士道」などではないのか。
佐山氏は自分でも本に書いているように、トップレスラーとして頂点を極めた後、今日にいたるまで失敗や挫折を味わいながら武道を極めようとしている。そこには常人に分かりえぬプレッシャーやストレスがあったのだろう。その果てに見つけた方法というのがすべての人に役立つかどうかは分からない。ただ、これも一つの「道」であることには違いない。
先ほどの意識調査によると、中間管理職にどうやって自己啓発をするのかと問いかけたら、やはり6割の人が「文献・書籍を読んで情報を得る」(58.1%)と答えたという。
年末年始の休み、初代タイガーマスクがたどりついた「道」から何かを感じとってみてはいかがだろうか。
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