意外! 大みそかに客が殺到するローソンの店舗がユニーク:仕事をしたら“年越しそば”が売れた(5/6 ページ)
2012年7月にオープンしたローソンの「シェラトン・ワイキキ店」がスゴいことになっている。年末年始には多くの日本人観光客が来店して、あるモノを購入しているという。それは……!?
“掘り出しモノ”を販売
土肥: 2012年にハワイに進出したわけですが、いろいろな苦労があったのではないでしょうか?
中川: 日本での店舗数は現在(2014年12月末)、1万2000店を超えていますが、ハワイでは4店舗しかありません。店舗数が少ないこともあって、認知度はまだまだ。なので、取引先に信用されていない部分があります。取引先に「この商品、売っていただけますか?」と聞いても、手にできないこともしばしば。
じゃあ、店舗数を増やせばいいのでは? と思われるかもしれませんが、業界トップの「ABC STORE」がいい物件を抑えているんですよね。しかも、ハワイは物価が上昇傾向にあるので、賃料も上がっています。同業者からみると「えっ、この賃料で採算がとれるの?」と思ってしまう物件で営業を始めています。こうした厳しい状況なので、なかなか店舗数を増やすことができません。
また「ABC STORE」はさまざまな商品を低価格で販売しています。例えば「Tシャツ5枚で20ドル」といった感じで。ローソンではそうした低価格戦略はとれないので、ウチでしかできないことをやっています。
土肥: どういうことをやっているのですか?
中川: 4店舗しかないということは、“小回り”がきくということ。いわゆる数の少ない“掘り出しモノ”を見つけて、お客さんに「えっ、こんなモノがあるの?」と驚いていただき、欲しいなあと感じてもらう。今後も、掘り出しモノをどんどん見つけて販売していかなければいけません。
土肥: 店内のスタッフは、現地の人たちを採用しているんですよね。言葉の問題はどうされているのでしょうか?
中川: 日本語を話せないスタッフも仕事をしているうちに、決まり文句だけは覚えてくれるんですよね。「少々お待ちください」「お客さま、こちらのレジにどうぞ」など。言葉の意味を理解しているのかどうか、よく分かりませんが……(苦笑)。
関連記事
- 輸出量7年で42倍! ニッカウヰスキーが海外で売れている&売ることができるワケ
ニッカウヰスキーの商品が売れている。「NHKのドラマ『マッサン』効果があって売れているんでしょう?」と思われるかもしれないが、日本だけでなく、海外でも売れているのだ。その理由は……。 - 丸亀製麺のうどんが、インドネシアでウケた理由
日本全国で讃岐うどんが広がったのは2002年ごろと言われているが、海外でもファンが増えつつあるという。トリドールが運営する「丸亀製麺」は海外進出に積極的で、数年前にオープンしたインドネシアとタイの売り上げが好調だ。その理由は……。 - カシオの「イスラム教徒向け腕時計」、大ヒットの背景に意外な事情
2012年に発売し、2年で40万台以上を売り上げる大ヒットとなった、カシオのイスラム教徒向け腕時計。他社が追従できない高機能はある製品を応用したからだという。そして、開発のきっかけになった意外な事情とは……。 - 社長から“ダメ出し”100回以上! 別格「日本冠茶」完成までチョー大変
キリンビバレッジの飲料「別格」シリーズが売れている。価格は200円(税別)もするので、ネット上では「高い」といった声が多い。これまでの常識では考えられない商品はどのようにしてつくられたのか。別格「日本冠茶」を開発した担当者に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.