コーヒー通販のブルックス、なぜ原宿にコンセプトショップを開いたのか?:「本格ドリップコーヒーが1杯19円」バナーでおなじみ(2/2 ページ)
コーヒーや茶類の通販でビジネスを伸ばしてきたブルックスが海外シフトを推し進めている。外国人向けにグローバルECサイトを作って販促を強化したり、“多言語対応”のショップをオープンしたりと、この数年間で目まぐるしく動いているのだ。
外国人観光客の憩いの場に
ECで海外にいる顧客を開拓する一方で、昨年ごろから訪日外国人の呼び込みにも力を入れている。それが2014年6月に開業したコンセプトショップ「BROOK'S CAFE 原宿店」での取り組みだ。
そもそも原宿(具体的には神宮前交差点そば)という場所を選んだのも、外国人観光客が多い土地柄だからだという。実際、BROOK'S CAFEにも通常時は来客数の2割が外国人で、年末年始には約5割に上ったという。
そこでの取り組みの1つは、「ポストカードコーヒー」というサービスである。これはポストカードとコーヒーがセットになった商品で、例えば、外国人旅行者は自国の家族や友人に宛ててメッセージを書き、店舗にあるポストに投函するとコーヒーも一緒に送ることができる。
加えて、外国人観光客に道を尋ねられることが多いため、英語、フランス語、ドイツ語、韓国語、中国語を話せるスタッフを配備し、多言語に対応できるようにした。「観光客向けにガイドマップの貸し出しも始めた。いずれこの店が休憩スペース兼観光案内所の役割になれば」と、BROOK'S CAFE 原宿店の江守信幸店長は力を込める。
売れ筋としては、「抹茶カプチーノ」や「抹茶レモン」などのドリンクが外国人にうけているようで、今後もそうした日本独特のメニューを増やしていく。
EC販売とコンセプトショップで外国人の認知度をもっと高める――。この両輪で今後さらにブルックスは海外向け戦略を加速するのだ。
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