サッカー・アギーレ監督を解任すれば、どんな“二次災害”が待っているのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/5 ページ)
サッカー日本代表を率いるアギーレ監督の八百長疑惑で、日本サッカー協会が揺れている。「早く解任したほうがいいよ」という声も多いが、筆者の臼北氏は「解任することで、JFAは“二次災害”に巻き込まれるだろう」と見ている。二次災害とは一体……。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
サッカー日本代表がオーストラリアで行われているAFCアジアカップ1次リーグを突破し、決勝トーナメント進出を決めた。しかし今大会はどうしても奮闘する代表イレブンたちよりもピッチ外の話題に注目が集まってしまっている。日本代表を率いるハビエル・アギーレ監督が八百長疑惑の渦中にいるからだ。スペイン1部リーグのサラゴサ監督時代に八百長に関与していた疑いが浮上し、1月14日にはバレンシア裁判所がスペイン検察庁からの告発を受理したと同国メディアで一斉に報じられた。
こうしたアギーレ・ショックに揺れ動く日本サッカー協会(JFA)は、幹部がアジアカップ終了後の指揮官解任も視野に入れていると言われているが、舞台裏の状況を見るにおいて事はスンナリと運びそうもない。そこには、たとえアギーレ監督が代表指揮官から退いたとしてもJFA側が“未曾有の二次災害”に襲われる危険性があることもからんでいる。
逆にこのままズルズルとアギーレ監督が続投することになれば、しばらくの間は疑惑の晴れない指揮官とともに日本代表はそれこそ心中覚悟で突き進まなければならなくなる。つまりは、どちらにどう転んだとしても困難が待ち受けているというわけで、JFAは八方ふさがりになってしまっているのである。
指揮官解任によってぼっ発しそうな二次災害とは一体何か。反対に、アギーレ体制が継続となることで憂慮されるマイナス材料とはどういうものなのか。それらを踏まえた上で八百長問題が直撃している日本代表の周辺と渦中の人物・アギーレ監督の現状と今後についてビジネスの目線で追ってみたい。
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