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サッカー・アギーレ監督を解任すれば、どんな“二次災害”が待っているのか赤坂8丁目発 スポーツ246(4/5 ページ)

サッカー日本代表を率いるアギーレ監督の八百長疑惑で、日本サッカー協会が揺れている。「早く解任したほうがいいよ」という声も多いが、筆者の臼北氏は「解任することで、JFAは“二次災害”に巻き込まれるだろう」と見ている。二次災害とは一体……。

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ドロ沼の二次災害

 無罪と潔白を主張するアギーレ監督にも辞める意思はサラサラなく、代表監督の職務を遂行しながらスペイン検察庁に対して徹底抗戦の構えを貫くつもりでいる。すでに欧州でもスポーツビジネスの世界で名が知れた敏腕弁護士を複数名雇い、来るべき裁判に備えて最強弁護団を結成するべく着々と準備を進めているともっぱらだ。

 最終的に無罪を証明しようとしているだけでなく、係争期間に入ったとしても弁護団と協力しながら代表監督を続けられるようにあの手この手の策も講じるつもりらしい。そんなアギーレ監督には今回の騒動で動揺している様子はまったく見られず、むしろ手抜かりのない準備を進める辺りは用意周到ぶりも感じさせる。

 アギーレ監督が日本代表を解任されれば、どのようなシナリオが想定されるのだろうか。元FIFA公認代理人はこのように語った。

 「どこまでもしたたかなアギーレ監督が日本代表監督を解任されれば、まず間違いなくJFAに違約金を要求してくるだろう。JFAとの契約は4年で、勝利ボーナスなど出来高を含めて総額12億円近い額の破格条件でサインを交わしているとみられている。その条件を考慮すれば、途中解任によって経歴にキズを付けられたことなども理由に5億〜7億円の違約金をアギーレ側が吹っ掛けて求めてくる可能性がある。

 2013年度の収益が150億円強だったJFAにとっては、確かに金銭的には痛くもかゆくもない額ではある。だがここで簡単にOKして悪しき前例を作ってしまえば、今後海外から後任監督や新スタッフを招聘する際に条件交渉で相手から『日本はカネを出すだろう』と足元を見られるようになってしまうので、JFAとしてはできるだけ払いたくない。しかし、そうなるとアギーレ側の弁護団から今度はJFAが提訴されるシナリオも考えられる。こうなってしまうとJFAはドロ沼の二次災害へと巻き込まれることになってしまう」

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