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実は企業の寿命を縮める劇薬? 本当は恐い「テレビで紹介されました」:窪田順生の時事日想(4/4 ページ)
「テレビで紹介されるのにはどうしたらいいですか」――。メディアの仕事に携わっている筆者の窪田さんのところに、こうした相談が多いという。テレビウケするポイントを伝えることもあるが、相手によってはお茶を濁すことも。その理由は……。
テレビプロモーションあるある
原田専務もおっしゃっているように、「ブームの後に借金だけが残る」というのは経営者たちの間でよく語られる「テレビプロモーションあるある」だが、一般人にはテレビにおける「一発屋」をイメージしてもらえば分かりやすいかもしれない。売れない芸人やタレントが大ブレイクした翌年から地獄を味わうというのはよく聞く話だろう。つまり、テレビプロモーションで事業を大きくしようと目論むことは、彼ら同様に「一発屋」で終わる恐れが高いのである。
ただ、ここで誤解して欲しくないのは、企業のPRやプロモーションにテレビを活用するのがイカンという意味ではないことだ。効果の強い薬には当然、強い副作用がある。それに耐えられるような体であれば、リスクをとって「効果」をとればいい。逆に耐えられないような体であれば、手を出すべきではないというだけの話である。
世の中には、ベンチャーや成長企業のもとを訪れて「テレビで取り上げましょうか」なんてセールストークをして回る人たちもいる。中小企業の社長さんは甘い囁(ささや)きに惑わされることなく、この「劇薬」とうまく付き合っていただきたい。
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