持ち家か賃貸か? 「妻の言い分、夫の言い分」:マネーの達人(2/2 ページ)
持ち家が得か? それとも賃貸が得か?――今回は、私の住宅メーカーの営業マンとしての経験をもとに、「妻の言い分、夫の言い分」という視点から考えてみます。
妻に押し切られて、いやいや持ち家を取得した家庭
購入を断念した人は、互いの人生設計を話し合う場として契約までの時間を有効活用できたかもしれません。しかし、妻に押し切られていやいや持ち家を取得した家庭で悲惨なケースがありました。
住宅ローン返済に追われる精神的な苦痛から、それまで優しかった夫が暴力をふるうようになってしまいました。夫は、金利の上昇や不動産価格の急激な下落などの不安がストレスとなり、自分を見失ってしまったのです。
持ち家を購入したことで家族がハッピーでなくなるのは本末転倒です。幸いに、早めに売却をして賃貸に戻ったことで離婚はまぬがれたようです。この場合、諸経費などの損失は出ますが、優しい夫に戻れたことでよしとするしかないでしょう。
家を買うかどうかは、人生を賭けた一大事です。今後のライフプランニングに欠くことのできないテーマですから、マスコミや宣伝に惑わされることなく、夫婦でじっくりと話し合って方針を決めることをお勧めします。
賃貸を選択した場合、老後の家賃支払いに対してどの様な対策をするのか? 持ち家なら、金利の上昇や不動産価格の下落に対してどの様な対策をするのか? など、リスクに対する処方せんが明確になっていると精神的にも良いようです。見えない恐怖ほどストレスになることはありません。(岩宗繁樹)
著者プロフィール:
岩宗繁樹
一般財団法人 不動産流通支援機構 相続土地活用研究会 代表
1954年11月宮崎県生まれ。都内の大学を卒業。平成24年7月に積水ハウス株式会社を早期退職し、株式会社ライフステージらしくを設立。サラリーマン時代に300棟以上の賃貸住宅やすまいの建築のお手伝いをしてきた経験を生かし、地主の相続事前対策と土地活用のコンサルタント業務をしている。平成6年に日本初となる本格的定期借地権分譲事業、さいたま市(旧大宮市)14区画を担当したことで、業界では定期借地権事業の実務家の第一人者として認識されている。現在、コニカミノルタビジネスソリューション(株)プレゼンツ「ホンキの販促.com」の専門講師をしている。4月からは、埼玉県定期借地借家権推進機構の事務局長に就任予定。
保有資格:不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引主任者/AFP/FP技能士2級
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