自分のキャリアデザインは自分で考えるしかない、という現実:サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(3/3 ページ)
バブル大量採用世代&団塊ジュニア世代は現在、働き盛りの40歳代。40代社員が多いという企業は多いはずですが、半面「歳を取っても会社で偉くなれなくなった」のも事実。もし明日、会社から放り出されたら……あなたは次に何の仕事をしますか?
個人ができるキャリアの作りかた。その正解は?
では、働く個人ができる防衛策はあるのでしようか。ポイントはたった一つだけだと、わたしは考えています。
「視野を広げること」
これだけです。社内しか見ていない、部署内しか見ていないという視野の狭さだと、自分の価値が分かりません。身につけている能力は古いのか新しいのか、市場価値が高いのか低いのか、世の中に広く求められるものなのか否か……。少なくともこれが分からないと、キャリアをデザインする、つまり、この先どのように働いていけばいいのかを再設計し、自分なりに対策を打つことはできないのです。
例えば、同業他社が開いている勉強会に参加してみる、集まりがあったら交流に出かけてみる。異業種まで視野を広げるのもいいでしょう。とにかく、自分が働いている場所の周辺に「積極的に興味を持つ」ことが大切なのです。逆に、これができない人の多くは「言われたこと、目の前のことを一生懸命やっていれば大丈夫だ」と“自分勝手に”信じてしまい、後で「なんだ、裏切られたじゃないか」という結末が待っている可能性が高まります。
企業は案外、先のことを考えられません。目の前の利益を追求することで精一杯です。それは日常、仕事をしているときに、ふと気がつくはずです。そんな企業は、働くあなたの「未来」についてそれほど深く考えてくれていない。それもまた、当然のことなのです。ご用心あれ。
著者プロフィール:サカタカツミ
クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。
直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」や「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
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