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「砂糖は脳にいいんですよ」という謎のCMが生まれた背景窪田順生の時事日想(3/4 ページ)

ちょっと前、世間を騒がせた怪しいCMがあった。「砂糖は脳にいいんですよ」といった内容だったので、物議を醸した。科学的な根拠があいまいなのに、なぜこうしたキャンペーンが生まれたのか。

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 では、このCMがなぜ世間をザワザワさせたかというと、それはメッセージの内容にある。実は最近の研究では、ブドウ糖がなくても脳は、脂肪から発生するケトン体で十分に機能すると言われているのだ。例えば、このコラムで以前ご紹介した大櫛陽一東海大学名誉教授も著書のなかでバッサリと切り捨てる(関連記事)

 いや、脳には糖分が必要なはずだという意見もあるかもしれませんが、それは都市伝説のようなもので、現代医学ではまったくのウソということになっています。(『血圧147」で薬は飲むな』大櫛陽一著、小学館 125ページより)

 ただ、そんなツッコミもどこ吹く風、「お砂糖“真”時代推進協議会」の会長を務めた、精糖工業会の久野修慈会長は昨年秋のインタビューで、こんなことを述べている

 脳が必要とするエネルギー源はブドウ糖で、素早く摂取するには砂糖が効果的。ブドウ糖には精神をリラックスさせる効果もある。つまり砂糖は脳に喜びとエネルギーを生み出す。ダイエットのために砂糖の摂取量を気にすると、脳に必要なブドウ糖が供給されないので血糖値が低くなる。集中力が低下したり無気力になったりするのも、このためだ。(SankeiBiz) 

 かつて女性の砂糖不足は少子化にもつながると訴えた久野会長。今後は11月30日を「いい砂糖の日」、3月10日を防災時の備蓄食料としての砂糖の重要性を訴える日という感じで、年2回のシュガーデーを設定して普及につとめると意気軒昂(いきけんこう)である。

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