米国で盛り上がっている、コンベンションビジネス最新事情:人に話したくなるコラム(3/4 ページ)
展示会などを行うコンベンションビジネスが、いま米国で盛り上がっている。周辺にはホテルやアウトレットモールなどが建設され、地元経済を活性化する起爆剤になっているのだ。そんなドル箱ともいえるコンベンションビジネスの最新事情を紹介する。
注目すべき都市はラスベガス
そして注目すべき都市は、やはりラスベガスだ。常にランキングのトップに君臨し、順調なビジネスを展開している。それでも、現状に満足しないのがラスベガスだ。競合都市よりも時代の先を行き、コンベンション業界の羨望(せんぼう)の的であり続けるために、23億ドル(約2738億円)もの大規模なコンベンションセンターのリノベーションプロジェクトを進行中だ。
このプロジェクトで、コンベンションセンターを1.5倍以上に拡張しデカさをさらにアピールするつもりだ。時代と逆行しているように思えるが、ラスベガスでは、あえてデカさを利用している。ラスベガスといえば、毎年1月に開催され16万人が訪れる「CES(コンスーマー・エレクトロニクス・ショー)」など、メガコンベンションで知られている。そして、CESのようなメガコンベンションが、他のコンベンションやイベントを引き寄せ、毎年追加で48万人ものビジネス旅行客を呼び込んでいるのだ。
ただもちろん、ラスベガスで行われているのはメガコンベンションばかりではない。1000人以下で行われるイベントも数多く、そうした小規模のコンベンションは年間で約2万1000件ほども開催されているという。このように、さまざまな規模のイベントに対応できる柔軟性やバランスのよさが、ラスベガスがコンベンション開催地としてトップを走り続ける理由だ。
コンベンションセンターの運営というのは、実際にはそう簡単ではない。例えば、ロサンゼルス・コンベンションセンターは、2012年に180万ドル(約2億円)もの赤字に陥り、運営を民間企業に委託することを決めた。
運営を任されたのは、ロサンゼルスのダウンタウンにある「L.A. Live」や「Staples Center(ステイプルズ・センター)」などを手がけたAEG社だ。その後、同社は人員削減や効率的な運営を実施して、2014年には黒字化に成功。現在リノベーションの計画も持ち上がっており、動向が注目されている。(ちなみに、ロサンゼルスは今、ホテルの建設ラッシュで、さらにロサンゼルス国際空港が70億ドル(8334億円)をかけたリノベーション中であり、コンベンションビジネスがこれからますます活性化しそうだ)
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