グルメサイト第3世代「Retty」――ポイントは実名投稿とスマホ重視:ぐるなび、食べログの“次”のサービス(5/5 ページ)
ぐるなび、食べログに続くグルメサイト第3世代「Retty」をご存じだろうか。2011年スタート、初期から実名投稿・スマホ重視の方針を貫き、ある施策の後にユーザー数が急増、今は700万人を突破している。なぜこれほど急成長できたのか、同社代表の武田和也氏に秘密を聞いた。
食を通じて世界中の人をHappyに
――ここからはこれからのRettyについて聞かせてください。ユーザー数が急激に増えてくると、コミュニティの中でトラブルが起きる心配もありますが、Rettyは今のところどうですか?
武田: プライバシーの問題は対策しないといけないだろうとは思っています。ブロック機能などの実装ですよね。でも今のところ、トラブルはほとんどないですね。コンセプトが「自分が好きなお店を投稿する」なのでお店と(ユーザーが)トラブルを起こすことがまずない。ネットの口コミを非常に怖がっている飲食店の方は多いんですが、そこも変えていきたいと思っています。
――確かにRettyは基本コンセプトが「この人のおすすめから探す」なので、ネガティブコメントを見かけることがあまりなくて、使っていて嫌な思いをすることがないですね。
武田: ええ、ユーザーさんどうしがいつの間にか仲良くなって食事会をやっていたりしますね。
――ユーザーが急増するともう一つ、紹介されるお店に「普通のお店」やチェーン店が増えてきて、いいお店を探しにくくなる……という懸念がありませんか。
武田: まあ、いろんな人がいて、人によって「普通」は違いますからね。グルメな人ばかりじゃないから、逆に値段重視でチェーン店が好きっていう人もいるでしょう。あくまでも「自分に合った店」が探せる、その探し方を作れれば問題ないはずです。
とはいえ、ユーザー数は増やしていきたいが、クオリティは担保していきたい。それはあります。口コミを書く人のクオリティを落としたくない、というのは意識しています。
――マネタイズはどうですか? 一部広告は貼ってありますが、まだ大々的には広告収入を増やしていないように見えます。ベンチャーキャピタルから出資を受けていますよね。
武田: そうですね、お店とか企業向けの広告はまだ始めたばかりです。これまでの口コミサイトは、ユーザーに寄り添うがためにお店と対立しやすかった。ここを解消して、「好きと好きをつなげる」を今後目指していきたいと考えています。
――ユーザーの好きと、飲食店の好きをつなげる、ということですか?
武田: はい。自分が行きたいと思っているお店からオファーが来る、という形ですね。行きたいお店から「今度来てくれたら○○をサービス」とか。
あとはお店の詳細情報ページなどからサイト連携をしています。hotpepperや一休などに「Rettyから送客したらいくら」という形ですね。
――海外から日本にやってくる人、あるいは海外に行った日本人がスマートフォンを使ってグルメ情報を探すことも増えていると思います。海外展開についてはどうですか?
武田: 海外展開も考えています。英語で日本の情報を発信するというよりは、まず海外の情報も登録・閲覧できるようにするところから。始めは英語圏とアジアですね。香港とかシンガポールとか。
Rettyの行動規範の一つが「食を通じて世界中の人々をHappyに」なんです。行動規範はときどき変わりますが、これは最初から変わらぬ行動規範です。
――食を通じて世界中の人々をHappyに! すごくいいスローガンだと思います。私もユーザーの一人として、応援しています。
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