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「クルマ+人力」は効率的なのか? ローソン+佐川急便の物流システム:半径500メートルの商売(5/5 ページ)
コンビニ大手のローソンが、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと合弁会社を設立し、宅配事業に乗り出す。ローソンの店舗でサービスを展開し、半径500メートルの消費者を囲い込む。
クルマ+人力は効率がいい
――佐川急便が店舗まで荷物を運んで、そこから台車で届けるということですが、効率が悪いのではないでしょうか?
野辺: 店舗から500メートル以内に住宅が密集していれば、効率よく運べることができる。実験したエリアではそのような結果が出た。クルマで運べば移動距離が長くなるので、1個単位の単価が上がる。さらにクルマの維持コストもかかる。
――配達される時間帯は?
野辺: 基本的には朝の9時から夕方の6時まで。いまのところ夜間はやらない。ただ、リクエストはきているので、その時間帯に配達して採算がとれると判断できれば対応する。
――佐川急便の荷物とローソンの商品をひとつの台車に入れるわけですが、効率よく配達できるのでしょうか?
野辺: 実験店でやってみたところ、コンビニ商品の注文が入る時間帯と佐川急便の配達指定時間は違う傾向が出ている。ピークタイムがかさなっていないので、今回のビジネスを始めることができた。
朝から昼までは佐川急便の荷物を運んで、午後からは不在の家が増えてくる。ただ、高齢者は在宅率が高いので、その時間帯に御用聞きをする。夕方になれば再び配達が増えるので、そのときにはコンビニの注文と合わせて配達する。そんなイメージだ。
――店舗に新たな設備は必要なのでしょうか?
野辺: 基本的にはない。荷物を運ぶ台車を置くスペースが必要なくらい。
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