社員に贈る周年行事の記念品の選び方:どうせなら喜ばれるものを(3/3 ページ)
10周年、20周年といった、記念すべき節目の年に向けた準備で担当者が頭を悩ませるのが、社員に贈る記念品です。今回は、その賢い選び方について考えます。
営業ツールとしての活用法もある
ノベルティグッズのような感覚で、周年記念品を大量に作る例も増えているようです。そうした場合も会社の歴史を感じさせる工夫をすると効果的だと、菊入氏は言います。
ボールペンやメモパッドなどのステーショナリー、ピンバッジや名刺入れ、USBメモリ、携帯のストラップなどに記念のロゴや周年のメッセージをデザインすれば、記念品としても営業ツールとしても活用できます。
「ボールペン1本でも創業の精神を記した紙が添えられていると、受け取った人の心に残るもの。営業先で渡すことで話のネタにもなりますし、節目の年に改めて会社が伝えたいメッセージを発信する機会にもなります」
ただし、あまりこだわりすぎるとその思いが空回りすることもあるので注意したいところ。社名やロゴをアピールしたいからと目立つ場所に大きく入れてしまうと、どんなに上等な品物でも使う気にはなれないでしょう。
「個包装のキャンディもお勧めです。安いコストで大量に作れるうえ、パッケージを自由にデザインできるからです。当社では、20周年の際、オリジナルのモチベーションキャンディを袋に詰めてお渡しし、喜ばれました」(横山氏)
企画から納品まで余裕をもった日程を
予算については、社員向けなら2000円から3000円程度のもの、社外の人向けなら3000円から5000円程度のものが主流です。
「1品当りの予算を大きく削る傾向はみられません。記念品自体をやめるか、従来どおりの予算で続けるかの2択で考えている企業が多いようです」(高島屋・天野氏)
また、オリジナリティを出そうとするなら、納品までの期間は余裕をみることが必要です。高島屋の藤田氏は、品物の最終決定から納品まで最低3カ月のスケジュールは確保しておくべきとアドバイスします。
「モノにもよりますが、オリジナル品を製作するなら発注から3カ月、既存の製品に名入れをする程度でも40〜50日はみておく必要があります。周年に当たる年ははっきりしていますから、品物選びやデザイン、修正といった期間も考えるとその1年半くらい前には検討を始めることをおすすめします」
外国人を雇用している場合は、日本にはない慣習にも気を配る必要があるといいます。
「日本では置き時計や腕時計は周年記念品の定番です。ところが中国では、時計を意味する『鐘』という言葉が終わりを意味する『終』の発音と同じことから、贈り物としてはタブーとされているそうです」(横山氏)
もっとも、品物選びでは人によって意見は分かれるものです。部署や年代の異なる社員を集めて意見を聞いたりアンケートを取るのも有効ですが、予算とだいたいの傾向がつかめた段階で、ある程度は割り切って考えることも大切です。すべての人が賛成する品物を選ぼうとすると、本来の目的を見失ってしまうことになりかねません。
「ある程度の希望がまとまった段階で、その品を取り扱っている業者に早めに相談すると、できることとできないことがはっきりするでしょう」(藤田氏)
実現したい目的にかなうよう、素敵な記念品を選んでほしいと思います。
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