“若手”の「パルム」が、発売後7年で8倍も売れた理由:水曜インタビュー劇場(アイス公演)(7/7 ページ)
発売してから今年で10年目の「PARM(パルム)」(森永乳業)が、ビッグブランドの中に食い込んでいる。アイスクリーム市場は定番商品が強いのに、なぜ“若手”のパルムは売れているのか。その謎に迫った。
競合他社からの攻勢
土肥: 技術、価格、販路確保――パルムが売れた背景として、この3つの壁を乗り越えたことが大きいのではないでしょうか。ちなみに競合商品は何ですか?
孫田: ロッテアイスさんのガーナアイスバー、明治さんのゴールドライン。
土肥: ですよね。パッケージをみると、とてもよく似ています。よく似た商品が3つある中で、なぜパルムが1歩も2歩も抜け出せたかというと、業界関係者であれば誰もが知っていた空白地帯の穴を埋める商品をつくった「行動力」も大きい。
ただ、パルムは急速に売れていることもあって、今後はさらに各社からの“攻勢”が強まるかもしれません。
孫田: ご指摘の通り、攻勢をかけてくることが予想されるので、気を引き締めていかなければいけません。
土肥: 4つ目の壁を乗り越えることができるかどうか。そして、多くの人が商品名を覚えてくれるかどうか。記録だけでなく、記憶に残る商品になることがカギとなりそうですね。本日はありがとうございました。
(終わり)
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