「営業で、ウソはいいのでしょうか?」:最高の営業デビュー(1/2 ページ)
「こんなとき、どうする?」――みんな思っているけど、なかなか聞けない疑問があります。今回はQ&A形式で、よくある質問に答えます。
集中連載:「最高の営業デビュー」について
この記事は佐藤昌弘著、書籍『日本一のセールスコンサルタント直伝 最高の営業デビュー 』(日本実業出版社)から抜粋、再編集したものです。
「ゴタゴタ言ってないで、まずはお客さんのとこ行けよ! 」
「営業なんてさ、あんまり難しく考えずに、とにかく現場に行ってみろ! 」
「どうせ、最初はうまくはできないんだからさ、転びながら成長していけばいいよ」
こんなセリフ、どの会社でも上司や先輩が言っている光景ではないでしょうか? 上司や先輩は「とりあえずやってみろ」というスタンスですが、当の営業を始めたばかりの人は「何が分からないかさえ分からない」と悩む声も少なくありません。さらに、いざ現場に出ても「流れや全体像が分からない」という声もあとを絶ちません。
本書では、誰でも今日から結果が出る5つのメンタルスキルと4つの営業スキルを紹介。新人営業マン、他部署・他社から営業に配属された人、営業マンを育てるマネージャー必読の1冊です。
ウソと許容範囲の境界線
Q:営業で、ウソはいいのでしょうか?
いくら営業トークでも、ウソはダメです。多少の背伸びはしかたがありませんが、明らかなウソはダメです。
例えば、「業界でシェア1位です」と言うのと、「業界でシェアはトップクラスです」と言うのは、厳密には違います。
「業界で1位です」と言うとウソであっても、「うちは業界でトップクラスです」と言うのであればウソではない。もしそうなら、ウソではなくて背伸びだと思うわけです。
ウソかそうではないのかの境界線はあいまいですが、決定的なウソはダメだと思います。
観察しているだけでも、自分の実力がつく?
Q:営業スキルは、どうしたら身につきますか?
効率的な学習方法に「モデリング」というものがあります。この言葉は米国の心理学者・バンデューラが最初に作ったと言われています。彼はその研究成果として、観察による学習の仕方をモデリングと呼ぶことにしました。
モデリングとは簡単に言うと、「見る→記憶する→再生してみる→やる気がわく」という流れで行われる学習の仕方です。
お手本になりそうな相手を選び、よく注意して見て、言葉やイメージにして記憶し、ちょっとしたイメージリハーサルをして、実際にやってみて、自分でそれを観察し、習得していきます。
営業マンにとっては、このモデリングという学習法は非常に効果的です。デキる先輩営業マンはなにをしているのか、よく観察してみましょう。営業スキルを学ぶうちに先輩のどんな部分をモデリングすれば良いのかが見えてきます。
「お客さんの警戒を解くために、なにをしているか?」
「どう挨拶をしているか?」
「どんなふうに合意を上手に自然にとっているか?」
「どうやって好印象を与えているか?」
「どうアピールしているか?」
「どうやって妥協にうながしているか?」
参考にしたい部分をよく観察し、しっかりと記憶してお客さんを相手に実際にやってみましょう。そして、またモデリングしてみるのです。
ぜひ、モデリングの対象になりそうな先輩を探して、いろいろと見るだけでなく質問をいっぱい浴びせて、あなたの成長の糧(かて)にさせてもらいましょう。
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