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ロボット推進事業関係者が語る、「介護ロボット」が普及しない理由コストだけが問題ではない(2/3 ページ)

近年深刻化する介護業界の人手不足を解決すると大きな注目を集めるのが「介護ロボット」だ。しかし、その期待とは裏腹に介護現場ではロボットの導入が進んでいない実情がある。

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 さらには、ロボットが技術的に高性能であることで、介護現場では使いこなせていないという状況に陥っている。介護現場のスタッフは機械に対するリテラシーが高いわけではないので、運用技術を習得するまでに相当な時間がかかる。まとまった時間を確保しようとしても、介護現場は多忙を極める。「そんなことをしてまでロボットを使うメリットはどこにあるのかと、使う側が意欲を失ってしまう」と関口氏は話す。

冷める介護関係者

 介護現場と開発者、行政の間のマインドギャップも生じている。

 「開発者や行政は介護分野の問題をロボットで解決したいと思っているが、介護現場はそう思っていない。介護は人がやるものという意識が強い担当者もいるからだ。例えば、介護ロボットに関するセミナーを開いても介護現場の方の参加は少ない。参加するのはビジネス目的の強い企業などが多い。行政や企業、開発者がロボットに熱くなっていても肝心の介護現場は冷めている」(関口氏)

 いくら行政や開発者が介護分野の問題をロボットで解決しようと考えていても、介護現場が必要性を感じなければ普及は進まない。こうしたマインドのギャップも無視できない課題である。

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