“ジャンクフードの聖地”で何が起きているのか? 食の浄化に目覚めた米国:来週話題になるハナシ(1/3 ページ)
米国でナチュラル・オーガニック業界が成長している。2014年のオーガニック食品の売り上げは、過去最高を記録。“ジャンクフードの聖地”ともいえる米国で、いったい何が起きているのか。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
米国では今、ナチュラル・オーガニック業界が凄(すさ)まじい勢いで成長している。
Organic trade association(オーガニック・トレード・アソシエーション)によると、米国でのオーガニック食品の売り上げは、2014年に前年比11%増で過去最高となる359億ドル(約4兆3673億円)を記録した。そして、食品全体の売り上げに対して約5%を占めるまでになっている。ジャンクフードの聖地である米国で、いったい何が起きているのか。
背景には、米国で注目されている「食の浄化」が影響していると言える。これまで自分たちが消費してきた「食」に対する不信感から、消費者がより「ナチュラル」でピュアなものを求めるようになっているのだ。
このトレンドに敏感に反応したのは、言うまでもなくファストフード業界と大手食品企業だ。その中でも予想外の改革を発表したのが、経営不振が続くマクドナルド社。今後2年以内にメニューに使用するすべてのチキンを抗生物質を使用していない、よりナチュラルなチキンに変更する。マクドナルドといえば、米国で2番目に多くチキンを購入している企業だ。同社の計画が実行されれば、業界に与えるインパクトはかなりデカい。
またフレッシュさが売りで成長著しいベーカリーカフェ・チェーン「Panera Bread(パネラ・ブレッド)」も、早々に食材の浄化に踏み切った。米国やカナダで約1900店舗を展開する同チェーンは、使用する食材から人工着色料、人工甘味料、人工調味料や防腐剤など150以上もの人工添加物をとり除く方針を発表している。
関連記事
- ファストフードの時代は終わった? 変わりゆく米国の食事情
米国のファストフードと言えば「マクドナルド」を思い浮かべる人も多いのでは。米国のみならず、世界中の食文化に大きな影響を与えてきたファストフード・ビジネスが、いま大きく変わろうとしている。 - 原料のカカオに何が起きているのか チョコレートが消滅する日
近い将来、チョコレートが消滅するかもしれない――。こんなことを言われても「スーパーやコンビニに行けば、たくさんの商品が並んでいるよ」と思われる人も多いはず。しかし、チョコレートの原料・カカオの生産量が不足しているのだ。 - スマートフォンの普及で、ガムが売れなくなっている(マジか)
チューイングガムを愛してやまない世界最大の消費国、米国でガムの売り上げが落ち込んでいる。タブレット菓子やグミの売れ行きは好調だというのに、なぜガムが不振なのか。その理由は……。 - ミスドとセブンのドーナツ、味はどのくらい違うの? 味覚センサーで分析
セブン-イレブンがドーナツ市場に参入する。「形がミスタードーナツとそっくり」といった声がでているが、味もそっくりなのか。「味覚センサー」を使って、セブンとミスドのドーナツを分析してもらったところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.