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ユニクロのTシャツブランド「UT」の役割新連載・アパレルビジネス風見鶏(2/3 ページ)

ユニクロの売り上げが好調だ。トレンドに左右されないアイテムを大量生産し、細かな販売計画で売り切るというビジネスモデルで成長を続ける中、Tシャツブランド「UT」はどのような役割を担っているのか。同社の担当者に話を聞いた。

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気になるアプリが登場


欲しいTシャツを自分でつくれることができるアプリ「UTme!」

 2013年より裏原宿系ブランド「A BATHING APE」の生みの親であるNIGO氏が、UTのクリエティブディレクターに就任した。これまで数多くのコンテンツを送り出してきたが、ディズニーの「ミッキーマウス」のような世界的なキャラクターだけでなく、知る人ぞ知るというアーティストまで幅広くカバー。「そのコンテンツが新しい価値をもたらせることができるのが基準。ある特定の方に、ユニクロはスゴい、と喜んでもらえるものもトライしていきたい」(松沼氏)といい、少数先鋭のデザイナーによるアイデアをNIGO氏や、時には柳井正会長兼社長の意見も交えて商品企画を進めているという。

 また、ユニクロの海外進出でもUTは武器のひとつになっている。廉価で品質とクオリティを両立させたアーティストのアイテムは、各国でも支持が高く、家具や雑貨などを扱うMoMAとコラボした「SPRZ NY」は中国にある約400店舗でも想定以上に売れているという。

 そんな中、ちょっと気になるアプリが登場した。欲しいTシャツを自分でつくれる、というアプリ「UTme!」が、2014年5月にリリースされた。UTme!はスマートフォンを振って自動的にデザインをつくれるなど、簡単にTシャツが製作できるように開発されている。同社グローバルダイレクト部の江口修平氏は、UTme!についてこのように語った。「大量生産といった形式にこだわらず、ネットからカルチャーが生まれるのが当然になっている中、よりお客さんの生活を豊かにするのに必要なサービスではないでしょうか」と。

 だが、UTme!は作られたTシャツの著作権に関する規約をめぐり、大きくつまずくことになる。リリース当初、規約に「投稿したデータの著作権をすべて同社に無償で譲渡する」となっており、ユニクロ側がユーザーの許諾なしに生産や改変ができるとの指摘を受けるなど、厳しい批判にさらされた。それを受けて「著作権はユーザーに帰属する」と明記し、「ユーザーのデザインは返却しない」とされていた箇所は削除する形にした。


グローバルダイレクト部の江口修平氏

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