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「変わらなきゃ」から20年 日産はどう変わったのか?:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/4 ページ)
昔からの日産ファンにとって、近年の同社の状況は何とも物足りないと感じているのではないだろうか。なぜ日産はこのように変わってしまったのか。
クルマ好きにとって、特に古くからの日産ファンにとって、日産の昨今の状況は何とも物足りない思いだろう。
かつては「スカイライン」と「フェアレディZ」というスター車種を筆頭に、「シルビア」「ブルーバード」「プリメーラ」「サニー」など、数多くのヒットモデルを送り出し、“技術の日産”として鳴らした会社がいまや昔日の面影がない。
日本自動車販売協会連合会の国内月間車種別売り上げ台数(普通車)のデータを見ても、2015年になってからベスト10に顔を出すのは「ノート」だけ。軽自動車の「デイズ」は好調だが、そう言われてもノートもデイズもかつての日産ファンが思いを託したクルマではない。
日産はむしろ中型車に強みを持つメーカーで、骨太で男臭いクルマが得意だった。競合他社に比べて、クラスを超えて独立懸架のサスペンションを積極採用する先進性を持ちながら、繊細で未来的というより、どっしりと構えた信頼感のある印象が他社と一線を画していた。チューニングベースとしての人気も高かった。
だからこそ「俺の日産を返せ」という嘆き節は多いのだ。国内だけを見ていると日産はどうなってしまうのだろうと思っている人も多いのではないか。ところが日産の業績はまったく悪くないのだ。
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