インタビュー
えっ、予定通りに飛んでいない? 機内で何をしているのか、パイロットに聞いてきた:水曜インタビュー劇場(パイロット公演)(3/7 ページ)
晴れている日もあれば、雨の日もある。無風のこともあれば、風が強いこともある。さまざまな状況の中で、パイロットはどのような会話をしているのか。JALの機長に聞いてきた。
燃料の量と高度を決めるのに30分
土肥: どの高度を飛ぶかは、どのようにして決められるのですか?
酒巻: 基本的に燃費のいい高度を選ばなければいけません。繰り返しになりますが、高く上がれば上がるほど空気が薄くなるので、燃費はいい。しかし、私たちは安全性を考えなければいけません。いくら燃費がよくても、よく揺れるようだと、その高度はダメ。安全性と快適性――この2つを確保できなければ、違う高度を選ばなければいけません。
塚本: 離陸の前に、機長と副操縦士で天気図を見たり、航空情報を調べたりするんですよ。例えば、飛行したいところで「自衛隊が演習をしていますよ」という情報があれば、違うルートを選ばなければいけません。最終的に決めるのは、燃料と高度だけなのですが、それを決めるのに30分ほどかけているんですよ。
土肥: えっ、30分も!? 3分くらいかと思っていました。「今日は晴れているね。じゃあ、燃料は半分くらいで。風は吹いていないね。じゃあ、高度はここで。では、今日もがんばりましょー」といった感じではのですね。
塚本: ではないですね。着陸地が遠いところになればなるほど、確認しなければいけないことが増えてくるんですよ。例えば、羽田(東京)―伊丹(大阪)であればフライトは1時間ほどなので、1時間先の天気を確認すればいい。しかし、羽田―ロサンゼルスの場合は10時間ほどかかるので、10時間先の天候を確認しなければいけません。なので確認作業の時間は長くなりますね。
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