「言い間違い、聞き違い」をなくすために、パイロットは何をしているのか:水曜インタビュー劇場(パイロット公演)(3/5 ページ)
パイロットは飛行機を操縦し、お客さんを運ばなければいけないので、スタッフとのコミュニケーションにエラーが生じてはいけない。ミスをなくすために、彼らはどんな教育を受けているのか。JALでパイロットの“先生”をしている人に話を聞いたところ……。
塚本: コミュニケーション能力を磨くためのトレーニングって少ないですよね。実のところ……持ち合わせていなくて、今回のプログラムを導入しました。パイロットに求められる技術は、大きくわけて3つあります。1つめは「テクニカルスキル」で、操縦技術のこと。2つめは「プロシージャルスキル」で、マニュアル通りの順序に従う技術のこと。3つめは「ノンテクニカルスキル」で、コミュニケーション能力や判断力のこと。しかし、3つめのコミュニケーション能力を磨くプログラムがあまりありませんでした。
土肥: 考えてみれば、日本の学校教育でコミュニケーションを習った人ってほとんどいないのでは。
塚本: それなのに「大事だ」「大事だ」と言われていますよね。
土肥: 確かに。
ポイントは「観察→分析→統合→批判」
土肥: 「対話」のほかに、どのようなことを学ばれているのでしょうか?
塚本: 「分析」する技術を習得しています。例えば、下の絵を見ていただけますか。
土肥: 空港の搭乗口でたくさんの人が「まだ乗れないの?」といった感じで待っていますね。
塚本: 対象の絵を詳しく分析して、どのようなことが描かれているのか自分なりに解釈することを、対話を通して行っています。絵を見たときに人物が描かれていると、その人物に目がいきがちなんですよ。しかし、その絵に描かれている「季節」「場所」などを大枠からとらえ考えることで、それまでの視点では見落としがちなことに気づけるようになるんですよね。ポイントは「観察→分析→統合→批判(批評)」というプロセスを行うこと。
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