パート勤務の妻が社会保険に入ったら、夫婦の手取りはどうなる?:マネーの達人(2/2 ページ)
平成28年10月から、一定の条件を満たしたパート勤務の人は社会保険に加入することになります。今回は、社会保険料と手取りを計算してみました。
いくら稼げば収入が増える?
「パートが社会保険に加入したら、いくら稼げばいいの?」と疑問に思う人もいるでしょう。厚生年金や健康保険を差し引いた金額の税金がどのくらいなのか計算してみました。
妻のパート収入が105万円なら、ギリギリのところで妻本人は社会保険料を支払わなくて済みます。年収500万円の夫が支払う、社会保険料・税金の額は約92万円、夫婦の手取り合計は約513万円です。
パート収入106万円(交通費込)の妻自身が社会保険料を直接支払う場合はどうでしょうか。
夫婦で支払う社会保険料・税金の額は約107万円と一気に増え、夫婦手取りの合計は約499万円と、逆に減ってしまいます。
そして、約513万円と夫婦の手取りが増えるのは、妻の収入が約125万(交通費込)円以上のときでした。
目先の手取りだけではない社会保険加入のメリット
目先だけを考えると106万円以上稼ぐと手取りが減ってしまうパート収入。しかし、社会保険に加入するメリットもあります。
まず、育児休業給付金です。パートでも雇用保険に通算1年以上加入していれば、最初の半年は給与の約67%の育児休業給付金が、万一仕事を辞めた場合でも失業給付が見込まれます。これでも充分、支払った社会保険料や税金の価値があると思いませんか。
これだけではありません。ケガや病気で働けない場合でも健康保険から傷病手当金が支給されることもありますし、老後も国民年金の上乗せで厚生年金を受給できます。万が一、後遺症が残った場合も、障害厚生年金が支給されることもあります。厚生年金の方が国民年金より、障害の基準が緩いです。
このように、社会保険には目先の利益だけでは判断できないメリットがたくさんあります。
生命保険の代わりにもなり得る社会保険、企業規模など関係なしに適用されるパートの人が増えるといいですね。(拝野洋子)
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