なぜ小さな会社が、“かつてないトースター”をつくることができたのか:水曜インタビュー劇場(トースター公演)(4/6 ページ)
バルミューダがこれまでになかったトースターを開発した。最大の特徴は、表面はさっくり焼けて香ばしく、内部は水分をしっかりと閉じ込めてふわふわ。そんな食感を楽しむことができるトースターを、なぜ従業員50人の会社がつくれたのか。
ポイントは「おいしい」という体験
土肥: 大手メーカーはマーケティング調査の結果を重視したので、同じようなトースターばかりになったのかもしれません。
寺尾: 扇風機「GreenFan Japan」を発売するまで、この市場の商品はコモディティ化していました。どのメーカーの商品も同じようなモノ……といった感じでしたが、トースターでも同じような感覚をもっている人が多いのではないでしょうか。
ザ・トースターが売れると「オレたちも出そうぜ」という会社が出てくるでしょう。でも、ポイントは「価格が高い」ではないんですよ。「おいしい」という体験なんです。
あと、私たちは常に探し続けています。「こうなったらスゴいんじゃないの」といった感じで変えれるネタを。だから、扇風機やトースターのようにコモディティ化したところを攻めるのが、得意なのかもしれません。
土肥: とある経営者はこのように言っていました。「問題を解決することよりも、問題を見つけることのほうが大切なんだ」と。
寺尾: 解決は地道な作業なんです。仮説→実験、仮説→実験の繰り返し。トースターの場合でいえば、こげないようにどうすればいいのか。こうしたらいいのでは(仮設)→じゃあこうやってみる(実験)→この部分がこげたのでどうすればいいのか。こうすればいいのでは(仮設)→じゃあこうやってみる(実験)の繰り返し。
一方、「問題を見つける」ということは、チャンスを見つけるのに等しい作業ですね。
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