なぜ、「わがままな上司」についていくのか?:外資系エグゼクティブの働き方(1/2 ページ)
どんなにわがままで強引な上司でも、ひきつけるものがあれば部下はついてきます。では、その「ひきつけるもの」とは何でしょうか?
集中連載:「外資系エグゼクティブの働き方」について
この記事はフラナガン裕美子著、書籍『どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方』(日本実業出版社)から一部抜粋、再編集したものです。
グローバル化が進むなか、「ここは日本だから……」という言葉はもはや通用しません。「どの会社でも上に行ける人」には、5つの共通点があります。
・行動法則1:「正しいワンマンスタイル」で人を動かしている
・行動法則2:世界基準の「リスクヘッジ力」と「決断力」を磨いている
・行動法則3:時間に支配されずに、自ら「コントロール」している
・行動法則4:「謙虚さ」と「プライド」を併せ持っている
・行動法則5:「柔軟性」を持ちながらも、「信念」はブレない
本連載では、数々の外資系企業で“モンスターボス”たちをサポートしてきた敏腕秘書が、数々のエピソードとともに世界中どの会社でも「結果を出す人」の共通点について紹介。日本企業のリーダーにこそ知ってほしい、世界基準のマネジメントのポイントをおさえます。
これまで、外資系エグゼクティブのパーソナリティーや、メンタリティについて見てきましたが、そんな強面(こわもて)な上司になぜ、部下はついていくのでしょうか?
日本企業の社員は「会社」についていき、外資系企業では「上司」 についていく傾向があるような気がします。日本の会社では今でも終身雇用は珍しくありませんが、外資系の会社では引き抜きや、自らの希望で別の会社に変わるパターンが普通です。尊敬しているマネジャーについて、一緒に会社を移るパターンも多々あります。
けれども、日本の会社で求められているような「上司とのお付き合い」というものは実はそれほど多くはありません。上司に飲みに誘われても、都合が悪かったり気が乗らなければ、「申し訳ないのですが自分は都合が悪いので」というのは別に大したことではありません。社員それぞれの自我が強いといえばそれまでですが、皆、自分のしたいことはハッキリと言える環境にあります。
もし尊敬できない上司がいたとしたら、表面的には普通に装っていても、いざというときに誰もその上司を必要以上にはサポートしません。言い方を変えれば、ひきつけるものがあれば、たとえわがままでも強引でも人はついてくるのです。
では、その「ひきつけるもの」とはなんでしょうか?
それは、「この人には頭が上がらない」と思わせるものです。知識の深さ、稼ぐ金額、土壇場での強さ、部下を守る行動力……。部下は自分たちにないもの、そして自分たちがほしいと願っているものを持っている上司を尊敬し、憧れます。単に「偉い地位についている=ついていきたいと思わせる上司」ではないということです。
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