検索
インタビュー

日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません水曜インタビュー劇場(観光公演)(6/8 ページ)

「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。

Share
Tweet
LINE
Hatena

ホテルに多様性がない

アトキンソン: 人気ホテルランキングなどをみると、同じようなホテルが並んでいます。繁華街の近くにあるホテルが上位にランクインしていますが、観光としては「幅」が狭すぎます。例えば「価格」。サラリーマンが出張で使うようなビジネスホテル、少しランクが上のシティホテルばかり。びっくりするような高級ホテルや老舗ホテル、リゾートホテルがありません。

 飛行機に乗って遠路はるばる日本にやって来たのに、宿泊先はビジネスホテルしかないという状況に、多くの訪日客が不満を感じているのではないでしょうか。逆の立場になって考えてください。パリやニューヨークなどに行って、現地のサラリーマンが泊るようなホテルしかなければ、ちょっとがっかりしませんか。

 もちろん、日本にも高級ホテルがあって、そうしたところは1泊10万円ほどで泊ることができます。でも、海外の富裕層からすれば、10万円はチップレベルなんですよ。

土肥: えっ、本当ですか。10万円って、月の小遣い数カ月分では……。

アトキンソン: 海外には1泊400万〜900万円の高級ホテルがあるんですよ。そんなところに泊る富裕層が日本にやって来ると聞いたら、どこのホテルをオススメしますか?

土肥: ちょ、ちょっと待ってください。高級ホテルと言われている「帝国ホテル 東京」のスイートの価格は……(ネットで検索して)1人で11万8800円〜、3人で18万4140円〜(7月の平日料金)。


日本には富裕層をターゲットにした高級ホテルが少ない(写真はイメージです)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る