日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません:水曜インタビュー劇場(観光公演)(5/8 ページ)
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。
外国人が楽しめるようにする
土肥: 朝ご飯を食べてから観光地を巡って、昼ご飯を食べてから買い物をする。でも晩ご飯を食べてから、何もすることがないので、ホテルや旅館でゴロゴロ……という人が多そうですね。
アトキンソン: 例えば、ハワイに行ったことがある人に話を聞いてみるといいですよ。ハワイのどこがよかったですか? と。こんな答えが返ってくるのではなでしょうか。「自然がきれい」「食べるところがたくさんある」「飲むところもたくさんある」「サンセットを見るところがあって、座るところがある」「ビーチと道路の間にホテルがあって便利」など。
一方、日本はどうか。「自然がきれい」という答えはあるはずですが、特に地方では「食べるところがない。あってもカツカレーか焼きそばだけ」「バーがない」「サンセットを見るところがない。あってもアルコール禁止」「ビーチとホテルの間に大きな道路があって、不便」といった声が出てくるでしょう。
こうしたところで働く人に話を聞くと、「観光客が減っていて、大変です」といった答えが返ってきますが、そんなの当たり前ですよ。景気が悪いからといった次元の話ではなく、お客さんにどのようにしたらお金を落としてもらえるのか、その工夫が不足しているからではないでしょうか。
土肥: 基本はひとつ。外国人が楽しめるようにする、ということですね。
アトキンソン: はい。観光客が何を求めて日本にやって来るのか、本音を探ることで整備しなければいけないことが浮かんでくるはず。そのひとつ「ホテル」は、観光客にとって大事な拠点になるのですが、多様性が欠けています。
土肥: ん? でも高級ホテル、ビジネスホテル、カプセルホテルなどがありますよ。
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