メディアに対して「見返してやる」――40歳、上原の“反骨心”:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
ボストン・レッドソックスの守護神として上原投手が活躍している。米メディアの間では、“ウエハラ争奪戦”がぼっ発する可能性を報じているほど。恐るべし40歳の原動力は、どこから生じているのか。
メディアに対して「見返してやる」
上原がメディアに対して「見返してやる」という思いを抱いたのは、2010年のオリオールズ2年目のシーズンだったのではないかと推測する。前年のオリオールズ1年目の2009年はメジャー移籍初年度という新鮮さもあって日本人メディアの「上原番」が大勢張り付いていたが、度重なる故障に苦しんでルーキーイヤーの同年は不本意な成績に終わると、その数は翌シーズンから激減したからだ。
だからオリオールズ2年目の2010年で「対メディア」への反骨心に火が付き、2012年のレンジャーズ2年目でその思いを強めたのではないだろうか。両シーズンの成績を見てみると、2010年は先発からリリーバーに初転向してシーズン中にMLB歴代4位タイの32試合連続無四球を記録するなど飛躍の年となり、2012年も長期に渡るDL(故障者リスト)入りで苦しみながらも37試合の登板で防御率1.75の好成績を残している。メディアに対して「見返してやる」という“雑草魂”をメラメラと燃やしたことも、こうした飛躍の原動力となったのではないかと見る。
「上原投手はきちんと自分の取材に来てくれるメディアには『ウェルカム』なんですよ。それが証拠に小まめに来てくれる記者には、しっかりと対応していますからね。ただ、とにかく自分は必死にがんばっているのに何かの取材の“ついで”や“おまけ”みたいな扱いをされることが許せないということなのでしょう。
それに自分が先発ではなくリリーバーであることで“ブルペンにいる立場の投手たちを軽視してほしくない”という思いも抱いているようです。そういう中で彼は“今に見てろよ”と反骨精神を抱いて、猛烈な努力と鍛錬を重ねて結果を出してしまうからスゴいんですよ。やはり、これが上原浩治という男の原点なんじゃないでしょうか」(前出の事情通)
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