コラム
10年後になくなる可能性が高い職業とは(後編):601の職業を6つのグループに分類(2/5 ページ)
10年後になくなる可能性が高い職業とは? 今回は、601の職業を6つのクラスタに分類・分析し、今後、人工知能に代行されないために人間に求められる能力はどういうものかを考えます。
6つのクラスタに分類する
今回の調査でも、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の『職務構造に関する研究―職業の数値解析と職業移動からの検討―』のデータを基に、人工知能に代替できるとした次の指標を用いました。
- スキル: 基盤、数理、テクニカル、ヒューマン、コンピュータ、モノなどの管理
- 知識: 科学・技術、芸術・人文学、医療、ビジネス・経営、語学、土木・警備、化学・生物学
- 仕事環境:座り作業、他者とのかかわり、屋外作業、影響度・責任、流れ作業
これらの指標は、約2から−2の間で表され、職業ごとに必要な部分はより大きい値に、必要なければ小さい値があてられています。この数値的指標を用いて、本稿では601の職業を6つのクラスタにしました。筆者が作成した推定結果一覧(PDF)をもとに、分類された職業の特徴を具体的に見ていきます(1から6が、AからFに対応)。
クラスタA:スーパー店員やレジ係などある程度マニュアルに添った接客をする仕事が多い
クラスタB:水産技術者からアウトドアインストラクターまで多岐にわたる。経験に基づく知識を要求されるものが多い
クラスタC:精神科医や薬剤師といった、専門知識によって人と関わる仕事など
クラスタD:映画監督や経営コンサルなど、クリエイティブ性を要求される文系職
クラスタE:システムエンジニアや数学者など、理系的な研究職など
クラスタF:機械組立工など、工場勤務職が多い
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