米メディアが見た白鵬は「孤独なヨコズナ」:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
横綱・白鵬の言動が波紋を呼んでいる。関脇逸ノ城戦で勝負がついた後に相手のあごを押した白鵬に対し、日本相撲協会の審判部が問題視。メディアは批判的な論調を向けているが、筆者の臼北氏は違和感を覚える部分もあるという。それは……。
独自の切り口で「ヨコヅナハクホウ」を分析
それなのになぜ――。その「WHY?」に鋭くメスを入れていたのが、海外メディアの米スポーツ専門局ESPNである。つい先日、ややアンタッチャブルな面にも踏み込みながら日本の「スモウ」をニュースドキュメンタリーの特集で取り上げ、独自の切り口で「ヨコヅナハクホウ」についてもナレーションで次のように分析していた。
「ハクホウは間違いなく強い。史上最強の呼び声が高いヨコヅナであることは、多くの日本人も認めている。しかし彼は日本人にとって外国人……。そう、モンゴル人なのだ。強過ぎる外国人であるが故に疎(うと)まれてしまう。特に日本相撲協会という伝統的で歴史の古い組織において、彼は異端児扱いされているのではないだろうか。もしハクホウが日本人として帰化したら、今の流れは大きく好転するに違いない。
だが、その道を彼は今後も選ばないだろう。モンゴル人としてヨコヅナの道をまい進する彼のことを不快に思う日本相撲協会関係者やメディア関係者も中にはいるはずだ。だから彼がミスをすると過剰なまでに周りから叩かれる傾向がここまでにおいて見られるのだろう。
さらに、それを周りがハクホウに直接注意したり、アドバイスしたりしないから余計に始末が悪い。周りとの距離ができていくのも必然の流れだろう。だからハクホウも自分の理解者が余りいない、そういう現状に悩みを募らせているのではないか。今の彼は意地になってヒールを演じ、どこかに対して『自分を止めてほしい』と助けを求めているようにも見える。ハクホウは強く、そして孤独なヨコヅナなのかもしれない」
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