Mobile：Mobile&Movie 第13回：シューティングフィッシュ「姉に代わって！」

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2002年5月17日　10:46 PM 更新

作品名シューティングフィッシュ(SHOOTING FISH)

監督ステファン・シュワルツ

制作年・製作国 1997年イギリス

　口は達者でも失読症で字が読めないディランと口下手な機械マニアのジェズ。イギリスの孤児院で育った2人の夢は、お金を貯めて豪邸を手に入れること。

　目標金額を200万ポンドと定めて、ジェズの発明品をディランが営業し、大企業を相手にお金を儲けていました。音声認識する第7世代コンピュータとして売りつけた“ジョンソン”は、ディランの話術に合わせて、裏でジェズが操作しているインチキ商品でした。

　そうと知らずにアルバイトにやってきたジョージー。あやしい仕事だと気付き帰ろうとしますが、ディランに言いくるめられ、2人の仕事を手伝うようになります。

　ディランとジェズはジョージーに好意を抱き家にまで招待しますが、ジョージーにはロジャーという婚約者が……。それでもジョージーをオペラに誘ったり、壊れたトースターを直しに行ったりするうちに3人の距離は少しずつ縮まっていきます。

　目標の200万ポンドまであと少しというところで、以前騙した相手と再会してしまったディランとジェズ。これまでは詐欺がバレそうになるとうまく逃げていたのに、とうとう居所が見つかって、刑務所に入れられてしまいます。お金が貯まったのに使えなくなってしまった2人は、ジョージーに助けを求める手紙を書きます。

　ジョージーが面会に来て欲しいという手紙を受け取ったのは、家族のために金持ちのロジャーと結婚することを決めた挙式当日。ジョージーにもどうしてもお金を必要とする理由があったのです。諦めてバージンロードへの道を選んだジョージー。

　「病める時も健やかなる時も彼を愛し、死が2人を分かつまで永遠の愛を誓いますか」

と牧師が尋ねたとき

　「トゥルルル……トゥルルル……」

　と携帯電話の呼出音が、静かな教会に鳴り響きます。　慌てて自分のポケットを探る参列者たち。

　しかし、鳴っていたのは新郎ロジャーの携帯電話だったのです。

　「もしもし？」

　「姉に代わって！」

　電話はジョージーの妹からでした。

　「分かったわ」

　ロジャーの裏切りを聞いて驚くジョージー。実はロジャーこそが政略結婚を裏で操っていた張本人だったのです。

　「汚い言葉をお許しください……ろくでなし！！！」と言い捨てて、ジョージーは教会を飛び出してきてしまいます。

　間一髪、愛してもいないロジャーとの結婚を免れたものの、自分のしたことの重大さに動揺を隠せないジョージー。ウェディングドレスのまま、泣きながらジェズとディランのもとへ駆けつけます。

　200万ポンドとディラン、ジェズ、ジョージーの恋の行方は、あっちに行ったり、こっちに行ったり、最後までハラハラさせられますが、ロジャーへの復讐も果たして、完璧なハッピーエンドで幕を閉じます。

　音声認識コンピュータのほかに、携帯ライトや緊急脱出ズボンなど、ジェズの楽しい発明品がたくさん登場する「シューティングフィッシュ」。いつかよく似た商品が深夜のテレビショッピングで扱われる日が来るかもしれません!?

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